研究・教育プロジェクトくずし字学習アプリを開発よくある質問?!特集教育システムキャンパスライフインフォメーション 明治時代以前の日本文学・日本文化を研究しようとすれば、「くずし字」と呼ばれる文字を読む必要があります。文学部では、スマートフォンやタブレットを利用して効率的にくずし字の読み方を学習できるアプリケーション“KuLA”を開発しました。開発に当たっては、文献学・国語学・人文情報学の知見を融合させています。幸いなことに、海外を含む多くの日本研究者の注目を集めるだけでなく、一般の方にもご好評をいただき、2021年2月19日現在で、16.9万ダウンロード数を達成しています。文学研究科アート・プラクシス人材育成プログラムの実施 文学研究科では、文化庁「大学における文化推進事業」の採択を受け、2019年度からアートを活用した社会人教育プログラム「徴しの上を鳥が飛ぶ ー 文学研究科におけるアート・プラクシス人材育成プログラム」を開始しています。これは現代世界の人文学的課題に向き合う方法を、演劇、音楽、美術、芸能など多岐にわたる芸術ジャンルのパフォーマンスやイベントの制作業務に実践的に関わりながら学ぶプログラムで、多くの社会人・学生が学んでいます。 2019年7月、大阪の百舌鳥・古市(もず・ふるいち)古墳群は、ユネスコの世界文化遺産に登録されました。その構成資産のひとつ、藤井寺市の野中古墳は1960年代に文学部により発掘調査が行われています。出土した多数の鉄製武具・武器類は、5世紀に大阪平野を拠点に発展したヤマト政権の力を示す第一級の資料で、国の重要文化財に指定されています。文学部が保管するこれらの出土品は、日本だけでなく人類共有の貴重な文化遺産として、その研究と活用に大きな期待が寄せられています。出土文化財の保存と活用野中古墳プロジェクトの推進■Topics世界文化遺産の野中古墳から出土した甲冑群(重要文化財)森村泰昌大阪大学特任教授のレクチャー受講風景(「モリムラ@ミュージアム」にて)スマートフォン版くずし字学習支援アプリ”KuLA”のトップページ。在学生からのメッセージ 分野名からは、もっぱらドイツの文学作品を解釈していると思われがちですが、さにあらず。複数の民族・言語が混在する中欧を取り上げ、ナショナリズム対立、都市化に対抗するさまざまなモダニズムの芸術実験を追っています。「形に入りて形を出づる」、つまり専門知を身につけ、同時にそこから踏みだす自分流の術(ワザ)を工夫してこそ文学部です。 文学部は学べる分野が幅広く、学生の「知りたい」に応えてくれる環境が充実しています。意欲ある学生に大学が研究費を補助する自主研究奨励事業はそのひとつ。私は3年間、制度を利用して研究に取り組みました。専修の枠にとらわれず学ぶ意欲を支援する制度があり、アドバイスをくださる先生や協力してくれる友人がいるのが魅力です。分野名にとらわれない、自分流の研究を三谷 研爾大学院文学研究科長・文学部長専門分野: ドイツ文学学生の「知りたい」に応えてくれる田中 穂乃香福岡県立筑紫丘高校 出身人文学科4年生(日本語学専修)学部紹介教授からのメッセージ文学部本が好きな学生が多いって本当ですか?普通の本はもちろんですが、映画や美術・音楽作品、古文書や地図などに取り憑かれる人も多いようです。QA19
元のページ ../index.html#21