特集教育システムキャンパスライフインフォメーション学部紹介医学部(医学科)よくある質問?!医学部医学科にしかないものってなんですか?附属病院に開設した未来医療センターをはじめ、難病克服を目指す研究体制・設備は他大学にはないものです。QA■Topics成長因子の作用メカニズムを分子レベルで解明し、新規治療法開発を目指します。パーキンソン病のマウスの脳。原因となるタンパク質の塊(矢頭)が、Rubicon遺伝子破壊マウス(右)では、何もしていないマウスより明らかに少ない。 iPS細胞は、組織や臓器を構成するさまざまな細胞に分化する能力を持つことから、再生医療のツールとして注目されています。私たちはiPS細胞から角膜の上皮細胞を分化誘導し、機能的な細胞シートを作製することに成功しました。そして2019年に世界で初めて他家iPS細胞から作製した角膜上皮細胞シートを患者さんに移植する臨床研究を開始しました。有効な治療法が確立されていない難治性眼疾患に対するiPS細胞を用いた新しい治療法の確立を目指し、引き続き研究に取り組んでいきます。 高齢化社会の進展に伴い、骨折が治らず骨欠損部位が生じる難治性骨折や関節軟骨損傷による変形性関節症により生活の質が低下する患者さんが増えています。近年、骨・軟骨欠損病変への治療法として骨・軟骨再生治療法が期待されています。再生医療の3要素は「細胞」「足場」「成長因子」です。さまざまな細胞になり得る幹細胞、細胞の足場となる生体材料、細胞の増殖や役割変化を促進する成長因子の作用メカニズムについて研究を進め、その成果をもとに新規の骨・軟骨再生治療法を開発します。 超高齢化社会を迎える日本においては、「健康長寿」の実現が医学の大きな使命となっています。私たちは、細胞の恒常性維持に重要な機能を果たすオートファジーのブレーキ役であるタンパク質Rubiconが加齢により増加し、オートファジーが低下することを見出しました。Rubiconの遺伝子を破壊した動物は、寿命が延長し、なおかつ、パーキンソン病や腎線維症などいくつもの加齢性疾患が抑制されました。この発見により、オートファジーを標的にした抗老化薬の開発が期待されています。再生医療の展開新たな骨・軟骨再生治療法の開発iPS細胞の臨床研究難治性眼疾患の治療法確立を目指す健康長寿の実現オートファジーを標的にした抗老化薬の開発 いろいろな新薬や新しい治療法が世に出ていますが、多くの病気はいまもその原因や根本的な治療法がなく、世界中で多くの患者さんが病に苦しんでいます。阪大医学部は、単にいまの医学、医療を受け身で身につけるだけではなく、明日の医学、医療を切り拓いていくような医師・医学者の育成を使命に掲げています。 阪大医学部は、将来、医師や医学研究者を志すうえで、素晴らしい環境であると思います。講義では、一流の先生方が基礎的な部分から各分野の最先端の内容についてまで網羅的に話してくださり、さまざまな分野に関する深い知識を習得することができます。また、病院実習や研究室配属の期間も長く設けられており、医師・研究者としての姿勢も学ぶことができます。未来の医療・医学を切り拓く人材育成熊ノ郷 淳医学系研究科長・医学部長専門分野:呼吸器・免疫内科学医師・研究者としての姿勢も学べる菅波 修司広島学院高校 出身医学科6年生(医師・医学研究)在学生からのメッセージ教授からのメッセージiPS細胞を用いた角膜上皮再生治療法(他家移植)31
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