大阪大学 GUIDEBOOK 2022
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よくある質問?!特集教育システムキャンパスライフインフォメーション学部紹介基礎工学部基礎工学部の教育の特徴はなんですか?数学と物理を充実させた基盤教育、理学と工学のバランスのとれた専門教育が特徴です。QA■TopicsAR組立支援システム。HMDに表示される指示に従うと確実に組立を完成できる。■Topics 現実世界に計算機情報を重畳表示することで様々な作業を支援する「拡張現実感(AR)」技術について、画像認識、ユーザインタフェース、ディスプレイ装置などの様々な側面から研究開発を進めています。物体の形状や人の動きを計測し、それに基づいて適応的に情報提示することで、より高度な作業支援が可能になります。例えば、右図のシステムではブロックの組立状況を自動的に検知し、次に配置すべきブロックを頭部搭載型ディスプレイ(HMD)に表示することで、誰でも間違わずに組立を完成できます。情報科学科AR技術により、高度な作業支援が可能に 科学と技術の融合による科学技術の根本的な開発を理念とし、理学と工学の双方の視点を備えた人材育成に取り組んでいます。軸足となる専門知識と技能に加え、社会と結びつける幅広い教養と国際性、それらを活用して新しい学術分野を切り開いていく思考力・創造力を身につけ、科学技術に支えられた社会を先導する人になってください。 基礎工学部は、理論を深く学び4年次の研究へと応用していく、理学部と工学部の融合とも言える特徴的な学部です。2年次に配属されるコースによって学ぶ内容や範囲は異なり、私は量子力学・統計力学を軸とした物性物理学を学んでいます。両立できるかは自分の努力次第ですが、勉学だけでなく、部活動や趣味も充実した楽しい大学生活を送りましょう!理学と工学の視点を備えた人材を育成和田 成生大学院基礎工学研究科長・基礎工学部長専門分野:バイオメカニクス・医工学理論を深く学び、研究に応用する河野 由依宮崎県立宮崎大宮高校 出身電子物理科学科3年生(物性物理科学コース)在学生からのメッセージ教授からのメッセージ洗濯バサミ分子の超音波応答性分子集合による安定溶液の瞬間ゲル化。新たな電子機能を持つ強相関電子系物質の合成に使われる赤外集光加熱型単結晶育成装置。 固体中の電子の間に強い相関がある物質は強相関電子系と呼ばれています。強相関電子系では、スピン・電荷・電気軌道などの電子の多自由度が複雑に絡み合うことによって超伝導現象をはじめとする多彩な物理現象・電子物性が実現されます。これらの多彩な現象・物性を巧妙に組み合わせることによって、現実の物質中に予期せぬ物性・機能の実現を目指して研究しています。一例として、新世代の材料として期待されているのが「マルチフェロイック物質」と呼ばれる、強誘電体と強磁性体の性質を兼ね備えた新たな電子機能を持つ強相関電子系を探究し、その電気的な性質を磁場で制御したり、逆に磁気的な性質を電場で制御するといった従来にない新規物性の開拓を行っています。 音で分子は集まらない。石鹸や化粧品、食品など多様な分野で重要な役割を演じる「分子集合」の科学におけるこの常識は、洗濯バサミのような形状をした新しい分子を生み出すことで打ち破られました。この分子を微量溶かしたサラサラの溶液に、弱い超音波をビッと数秒照射すると、分子が連続的にかみ合う特異な分子集合が起こり溶液は瞬間的に固まります。この新現象は現在、免震、漏えい防止に必須の瞬間固化や、瞬間発光技術への応用に向け、基礎的、応用的観点から研究が進められています。電子物理科学科新たな電子機能を持つ物質の創成化学応用科学科超音波で集まる分子41

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