医学系研究科大学院高齢化による歯科疾患の多様化や歯科医療に対するニーズの変化に応えるため、臨床と基礎の壁を取り払い、最先端の「口」の研究遂行に力を注いでいます。また、“食べる”“味わう”といった口を通した行動を科学的に追究。「口」の健康に基づく生活の質の向上を目指し、世界の歯科医学のリーディング機関として研究を進めています。社会の高齢化と生活の質向上に応える「口」の研究医学・医科学専攻では、高度な研究能力とその基礎となる豊かな学識を有する人材を養成します。産学交流の絆も深く、先端的な研究を社会実装することも重要な任務です。保健学専攻では、柔軟な思考力と高度な専門知識を持ち、時代に即した看護・医療技術科学の発展をリードする研究者の育成を目指しています。世界をリードする、ゲノム医療と解析研究拠点特集大学院研究科紹介教育システムキャンパスライフインフォメーション歯学研究科大学院経済学研究科/理学研究科/医学系研究科/歯学研究科FGF-2製剤で誘導された、歯槽骨の再生。黄色の線は、歯槽骨の高さを表します。 これまで医学研究の発展により、さまざまな病気の発症原因が解明され、治療法が開発されてきました。しかし、現代の医学をもってしても、治すことのできない難病が多く残されています。病気は、私たち体の機能が遺伝子異常などにより破綻することによって起こります。これまでにその原因が明らかにされてきた病気の多くは、私たちの体の異常だけで発症するものです。しかし、病気の中には、私たちの体の異常に合わせて、外環境(腸内細菌や食事、生活習慣など)の異常が複雑に絡み合い発症するものが多くあり、原因が特定できない難病となっています。 本研究科では、このような難病の病態メカニズムを明らかにし、その治療法開発につなげていくような基礎研究を展開しています。例えば、炎症性腸疾患という消化管で慢性的な炎症が起こる難病が、消化管上皮のバリア機構の破綻により、腸内細菌が私たちの体の中に侵入することによって発症しうることを明らかにしました。難病の病態メカニズムを解明し、治療法の開発を目指す■Topics■Topics 「何でも美味しく食べられる」ことは万人の望みであり、そのためには生涯にわたって口の健康を守り高めることが必要不可欠です。すべての人に約束されるべき「口が支えるQuality of Life (生活の質)」を維持・向上させるために、本研究科では歯のみならず口全体の健康と病気を科学し、新しい診断法・予防法・治療法の開発に取り組んでいます。 例えば、歯を支える骨や歯ぐき(歯周組織)を破壊する病気である歯周病は、歯の寿命を脅かす第一の原因です。歯周病を引き起こす細菌の塊(デンタルバイオフィルム)を取り除くことで、この病気の進行を食い止めることはできますが、失われた歯周組織を取り戻すことはできませんでした。本研究科では、塩基性線維芽細胞増殖因子(FGF-2)という成長因子を応用した世界初の歯周組織再生薬の開発に成功し、近年、その実用化を果たしました。また新たな取り組みとして、幹細胞移植による歯周組織再生医療の開発・実用化を着々と進めています。 このように、本研究科は口の健康科学の国際的拠点として世界の歯学研究を牽引し、そのもとで、次世代の歯科を担う人材育成を精力的に推進しています。最先端の歯周組織再生医療技術開発への挑戦消化管の内腔に生息する腸内細菌(赤色)は、消化管上皮のバリア機構(緑色)により、私たちの体(青色)と接することはありません。治療後治療前口腔科学医学(博士課程)/医科学(修士課程)/保健学(博士前期課程、博士後期課程)45
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