大阪大学 GUIDEBOOK 2022
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 軽くて加工しやすく、丈夫で腐らないプラスチックは私たちの生活に欠かせないものですが、プラスチックごみやマイクロプラスチックが海などの生態系に与える影響が懸念されています。プラスチックごみの中でも、とりわけ海洋へ流出する可能性が高いワンウェイ用途のプラスチックについては、海洋へ流出しても環境への負荷が小さい新素材(海洋生分解性プラスチック)へ代替することが社会的に切望されています。プラスチックごみ対策は待ったなしの課題です。 本研究科では、バイオマス資源を用いた環境調和型プラスチック製品の開発に取り組み、企業と連携して屋根用塗料やフィラメントを実用化し、地球温暖化対策に貢献してきました。最近では、植物から豊富に得られるデンプンとセルロースから高い強度と耐水性を兼ね備えた海洋生分解性プラスチックシートを開発しました。さらに幅広いプラスチック製品の代替を目指し、生分解性フィルムやボトルの実用化に取り組んでいます。ごみのないきれいな海を取り戻す日も近いかもしれません。海で分解される新プラスチック開発 ~魚よりゴミが多い未来の海に一手~■Topics各研究科資料のご請求方法は各研究科のホームページをご覧ください。資料請求はこちらホーム > 学部・大学院・施設 > 大学院 > 各研究科パソコンから工学研究科大学院生物工学/応用化学/物理学系/機械工学/マテリアル生産科学/電気電子情報通信工学/環境エネルギー工学/地球総合工学/ビジネスエンジニアリング個性豊かで創造的な研究者・技術者を育成するため、高度な専門教育と最先端の研究が行える環境を整備。また、共同研究講座や協働研究所並びに各専攻を基軸に「産学連携」を積極的に展開し、優れた研究成果やリーダー人材を輩出することで、Open Innovation on Campus together with industryを実践しています。科学技術の発展を担う、先端的な研究機関大学院・研究科紹介デンプンとセルロースから作製した海洋生分解性プラスチックシート(左上)と開発中の生分解性フィルム・ボトル(右下)薬学研究科では、創成薬学と医療薬学の2専攻を設置しています。本研究科では、薬学を総合的なライフサイエンスの発展を目指す学問領域と位置付け、高度な「創薬基盤技術力」と「創薬臨床力」の修得を目指した研究教育を推進することにより、広範な分野において、トップランナーとして活躍できる人材を多数輩出しています。薬学を通じて、ライフサイエンスの発展に貢献する薬学研究科大学院最適条件(サイズや性状)のナノマテリアルは、胎盤や脳などにも薬物送達が可能。■Topics 生命の理を解明し、その攪乱により発症する疾患の原因を探り、さらにその原因となる分子機能を制御する化合物、抗体、核酸や細胞などの研究は、疾患治療薬の創製につながることが期待できます。本研究科では、「化合物ライブラリー・スクリーニングセンター」や「創薬センター」を設置することにより、アカデミアの創薬等ライフサイエンス研究を牽引しており、難病や希少疾患などに対する革新的治療薬の創製を進めています。さらに学内の産業科学研究所、微生物病研究所などの協力講座、学外の循環器病センター、医薬基盤・健康・栄養研究所、医薬基盤研究所、大阪国際がんセンター、医薬品食品衛生研究所、医薬品医療機器総合機構などの連携講座との連携や、2つの寄附講座、5つの共同研究講座の設置により、最先端創薬研究を推進しています。 また本研究科では、「高度先導的薬剤師の養成とそのグローバルな活躍を推進するアドバンスト教育研究プログラムの共同開発」の実施により、優れた「先導的薬剤師」の輩出とそのグローバルな活躍を支援しています。 このように、本研究科ではさまざまな研究プロジェクトや大学院教育プロジェクトによって、学部教育において培った「創薬基盤技術力」と「創薬臨床力」をさらに強化・高度化し、「ものづくり(創薬)」を通して、ヒトの健康に大きく貢献できる人材の育成を推進しています。「ものづくり(創薬)」を通して、ヒトの健康に大きく貢献創成薬学(博士前期課程・博士後期課程)/医療薬学(博士課程)46

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