片桐 直人(かたぎり なおと) 2007年京都大学法学研究科単位取得満期退学、博士(法学)。08年近畿大学法学部講師、11年同大学准教授を経て15年より現職。PROFILE「お金」を憲法学で考える~法の視点で世の中の動きのルールを探る~高等司法研究科 准教授 片桐 直人 憲法には、「権力(政府)について」と「権利(個人)について」を定める2つの側面があります。お金はその両方にとって欠くことができないもの。じつは憲法のなかに「通貨」「貨幣」という言葉はありません。片桐准教授は、これまでの憲法学ではほとんど正面から議論されてこなかった「谷間の制度=お金」をめぐる法的・制度的な研究に取り組んでいます。 片桐准教授がお金という事象に興味をもったのは、学生時代。「お金は鋳造された自由と言えます。お金があるからこそ、農耕や狩りに時間を費やさなくても食べていけるし、自分が大学生でいられるのも、お金があるからだと思いました」。とくに衝撃を受けたのが、1990年代に流行った地域通貨でした。「いまのお金が自明ではない、という新鮮な驚きがありました」。ところが、その地域通貨は円に交換できないと言われていました。「理由は国の通貨独占発行権に抵触するからだというのですが、そんなこと、どの法律にも書かれていないのですよね。それと、お金の制度は国が好きなように決めていいのか?という点も、疑問に思いました」。2002年にユーロが使われるようになったことも、片桐准教授に大きなインパクトを与えました。「今の通貨お金を生み出す権限は誰にあるのか4大阪大学の研究 ~知を拓く人、新たな探求と挑戦~
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