SAIDAI CONCIERGE vol.26
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被害者を出さないことが第一   警察署長の主な仕事は、確実かつ効率的な地域の治安維持活動を実現するための戦略立案や、警察署職員の指揮・監督を行うこと。そして、住民の皆さんに警察の活動を知っていただいたり、困っていることを直接お伺いするために、地域の会合やイベントなどに出向くことも重要な職務の1つです。 昨年の秋に警察署長に就任して以来、重点的に取り組んでいるのは、犯罪や事故の抑止効果を上げる活動。 警察の使命は、地域の方々が安心して暮らせる生活を守ることですが、事故や犯罪は起こらないのが一番です。そのため、警察官によるパトロールや地域の方に許可をいただいた場所での駐留警戒などを積極的に行っています。 また、強い組織を作るためには、互いに協力し合える信頼関係を築くことと、警察官それぞれが個性を活かしながら活躍できる職場環境を作ることが重要。それを実現するために、直接署員の話を聞くように心がけ、若い署員ならではの意見やアイデアも積極的に取り入れるようにしています。警察官になって役立った幅広い学び  教師になるために埼玉大学の教育学部に入学したのですが、在学中に行った教育実習がきっかけで警察官になろうと考えるようになりました。 当時は少年非行の戦後第3のピークで、教育実習で目の当たりにした中学校の荒れた状況にショックを受けたのです。当時「婦人警察官」と呼ばれていた女性の警察官は、少年を担当するイメージがありましたが、そんな折に「警察官募集」のポスターを見かけ、教師とは違った立場から少年たちに関わることに意義を感じたのです。 警察官の仕事は、幅広い事象を扱いますので、幅広い教養や学問分野を学ぶ小学校の教職課程を出ていてよかったと思うことは、よくあります。 大学では、目標を持って専門的なことを学ぶのはもちろん、将来やりたいことを模索しながら学んでも、私のように学びながら途中で進路を変更してもよいと思います。そんな多様なニーズに応えてくれる柔軟性が埼玉大学のよさかも知れませんね。卒業生紹介活躍する卒業生からのメッセージThe Message from a graduate埼玉県警察 大宮西警察署長杉﨑 惠子さんKeiko Sugisaki埼玉大学名誉教授 菅原康剛先生 たとえ明確な目標がなくても学んだことは何1つ無駄になりません大宮西警察署員約140名を束ねる警察署の最高責任者Profile埼玉県大宮市(現さいたま市)生まれ埼玉県浦和市立(現さいたま市立)浦和高等学校出身1983年 埼玉大学教育学部学校教育 教員養成課程卒業1983年 埼玉県警察学校卒業後、交番勤務2009年 埼玉県警察本部 警務課 犯罪被害者支援室長2014年 埼玉県警察本部 少年課長2016年 埼玉県警察 大宮西警察署長昨秋の署長就任時には、埼玉県警察初の女性署長として話題に13SAIDAI CONCIERGE

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