SAIDAI CONCIERGE vol.28
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何でも題材になるのが漫画のいいところ?   作品を制作する上で心掛けているのは分かりやすさです。 特に現在連載中の「理系が恋に落ちたので証明してみた。」(埼玉大学をモチーフにした架空の大学、彩玉大学の理工学研究室を舞台にしたラブコメディ)は、理系の学術的な分野を扱っているので、漫画の構成やセリフなど、誰が読んでも分かりやすいように工夫しています。 また、物語のリアリティにもこだわっていますが、その点は工学部、理工学研究科で過ごした学生時代の経験が役に立っていますね。さらに、劇中に出てくる理論や内容について、研究室時代の先生に相談に乗っていただいていますし、学生時代の仲間がモデルになっているキャラクターもいます。 漫画家という仕事の魅力は、自分にしか作れないものを作れるということです。だから漫画はどんなことでもネタにできます。どんな酷い目にあっても「よし漫画にしてやろう!」とやり過ごせます(笑)。 読者の方にも、嫌なことがあった時に、そんな体験が描かれた作品を読んで笑ってもらえればいいなと思います。全ての経験は無駄にはならないはず  大学在学中は、漫画や小説などを創作するサークルの「ライトフィクションクラブ」で漫画の制作に勤しんでいました。このサークルには才能に溢れている人が多く、色々な刺激を受けましたし、漫画家としての私の師匠もこのサークルの出身です。漫画家になれたのはこのサークルのおかげかもしれませんね。 埼玉大学の魅力は、研究でもサークル活動でも、やりたいことが何でもできる環境が整っているところ。ですので学生の方は、失敗を恐れず、興味のあることなら何でもチャレンジしてほしいですね。一見漫画とは関係がなさそうな工学部での経験が作品に生かされているように、人生にとって無駄な経験は1つもないのですから——。卒業生紹介活躍する卒業生からのメッセージThe Message from a graduate漫画家山本アリフレッドさんArifred Yamamoto幼い頃から憧れていた漫画家になれたのもヒット作を生み出せたのも学生時代の経験のおかげ?「理系が恋に落ちたので証明してみた。」の主人公、雪村心夜と氷室菖蒲Ⓒ山本アリフレッド/COMICメテオProfile埼玉大学工学部卒業埼玉大学大学院理工学研究科博士前期課程修了「カオス・ウィザードと悪魔のしもべ」で漫画家デビュー2016年からCOMICメテオにて「理系が恋に落ちたので証明してみた。」連載中現在、単行本は4巻まで発刊されており、累計60万部発行のヒット作に13SAIDAI CONCIERGE

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