SAIDAI CONCIERGE vol.28
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埼玉大学の創立と現況 1949年、埼玉大学は開学しました。旧制浦和高校を母体とする文理学部と埼玉師範学校・埼玉青年師範学校を母体とする教育学部の2学部でのスタートです。爾来70年の歴史を辿り、いくつもの節点や分岐点が繫がった埼玉大学の時間軸は、紆余曲折に今に至ります。教養、経済、教育、理、工の5学部と、それに繫がる大学院人文社会科学、教育学、理工学の3研究科から成り、学生・教職員9, 500人の大所帯が現況です。埼玉大学キャンパスの移り変わり  埼玉大学の全てが集まる今の大久保キャンパスには50年前に移転。1970年の年明けからこの地で講義が始まっています。右上の航空写真に示すとおり、荒川の河川敷に位置するキャンパスは建設中のものも含め建物が並ぶだけの殺風景なもので、緑は入口を入って右にある僅かな原生林だけでした。 私は1971年に当時の理工学部建設基礎工学科に入学し、大学生としての4年間を埼玉大学で過ごしました。入学当時の校内風景は下左の写真のとおりで、北浦和駅からのバスが発着するなど、広々とした構内で、原生林が目立ちます。 それが2017年には四季折々に美しく緑豊かなキャンパスになっています(下右の写真)。これは私の恩師であり、第5代学長の岡本舜三先生が、40年前に植えた木々が育ってできたものです。上に示した航空写真の1980年と2011年を比べれば、キャンパス全体で緑が大きく増えていることがわかります。時間軸に沿った歩みと成長  埼玉大学キャンパスの移り変わりと木々の成長は、時の流れという時間軸の重みと、初動という時間軸原点の大切さを教えてくれます。皆さんは今、大学生になることを想い描いているかも知れません。ぜひ埼大生になって初動を大切にし、皆さん一人ひとりの新たな時間軸に沿って歩みを進め、大きく成長されることを心から願っています。大学での師との出会いは原点・分岐点 私のキャリアの原点は埼大生時代の恩師との出会いです。先の岡本先生には構造物の振動現象の不思議さに目覚めさせて頂きました。もう一人は秋山成興先生で、力学の本質を教えて頂くとともに、「卒業生が大学に戻って埼玉大学のために尽くすべき」と諭され、1982年に教員として埼大に戻りました。そして第8代学長の堀川清司先生からは学長補佐として多くを学びました。今思えば、そこが私の時間軸の大きな分岐点です。 私の個人的エピソードのように、埼玉大学には多様な師や学問と出会う環境があり、時間軸上、脈々と続いています。埼玉大学はこれからもその環境を維持して歴史をつなぎ、輝き続けます。1971年の埼玉大学キャンパス中央風景と図書館(1999年撮影)航空写真から見た埼玉大学キャンパスの移り変わり2017年の埼玉大学キャンパス中央風景とリニューアルした図書館2011年1980年1970年14SAIDAI CONCIERGE

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