埼玉大学 教養学部 2018
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草野 大希(国際政治学)  山本 良(国際法学)■ 焦点は「戦争と平和」学問としての国際関係論は、人類初の大規模な惨劇をもたらした第一次世界大戦を契機に誕生しました。どうしたらこのような戦争を回避し、平和な世界を構築できるのか。その条件を探ることが、国際関係論誕生の原動力になったのです。その後の世界は、第二次世界大戦や冷戦という激しい国家間の対立を経験します。こうした状況下で、世界各国の学者たちは、なぜ国家間の対立や紛争が武力衝突に発展するのか、逆に紛争を平和的に処理したり、協調を実現したりするためにはどのような条件や制度が必要なのか、といった課題に理論的あるいは歴史的観点から取り組み、多くの研究成果を蓄積してきました。こうした「戦争と平和」を含む地球規模での統治全般に係わる理論的・実証的理解を深めてゆくのが本専攻のねらいです。近藤 久洋(国際開発学)  サムレト・ソワンルン(開発経済学)■ より公正なグローバル経済社会の 構築をめざして冷戦の終結とともに市場経済は世界大に拡大し、国境を超えたモノ・人・金・情報の流れは加速度的に進化しています。BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南ア)の台頭に象徴されるように、経済のグローバル化は先進国に限られない多くの国や人々に恩恵をもたらしています。その一方で、途上国では、依然として貧困や飢餓、環境破壊や紛争に苦しめられている人々が少なくありません。このような先進国と途上国の経済格差や、途上国が抱える諸問題の原因を究明し、より公正なグローバル経済社会の構築に繋がる国際協力や開発援助を構想するのが本専攻のねらいです。 ■ グローバル・ガバナンス専修の 沿革「グローバル・ガバナンス専修」は、それまでの「現代社会専修・国際関係論専攻」を改組して2010年4月から教養学部に設置されました。国際関係論専攻の前身は「国際関係論コース」に遡りますが、埼玉大学教養学部が発足して間もない1970年に同コースは設置され、通算40年以上の歴史があります。この間、日本の国際関係論研究の中核を担う人材を学界に輩出してきた他、多くの卒業生が活躍しています。例えば、元ガボン共和国等大使の加藤基氏や国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の前駐日代表(元UNHCR本部財務局長)の滝澤三郎氏も国際関係論コースの出身者です。社会科学を中心とした複眼的視点からグローバルな世界にアプローチ本専修では社会科学(social science)と学際性(interdisciplinarity)を重んじた教育を行います。すなわち、国際政治学、国際法学、国際経済学を中心とする社会科学的視点に加えて外交史などの歴史的視点をもバランスよく学習できるような学際的なプログラムを提供し、複眼的な視点でグローバルな問題にアプローチしてゆきます。多角的な授業形態、英語力の養成基礎講義を通して基本的な知識・思考力を身につけた上で、専門的な研究法の学習や演習に取り組みます。予習・宿題を含む多くの課題を通じたトレーニング、ディベート、ディスカッション、プレゼンテーションを重視する教育手法を採用します。さらに、本専修では英語力の涵養も重視しています。専門教育の講義・演習の教科書・教材には英語文献を多用し、ネイティブ・スピーカーによる英語の授業も開講されます。こうした学習環境の中で日常的に英語と接することによって、皆さんの英語力は一段と向上するでしょう。国際開発論専攻 立派な国際人である前に、立派な人間に国際関係論専攻 グローバル社会を生き抜く叡智を養うために9

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