埼玉大学 教育学部 2018
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今日、学校の先生と言えば、「超多忙」と社会的には認知されています。確かに学校の先生は忙しそうです。いじめ、不登校、発達障害、外国人児童、貧困児童、多くの教育課題の解決に追われ、心身ともに苦しんでいます。どうしてこんな状態になってしまったのでしょうか。もちろん、この問題を根本的に解決するには、教職員定数の改善、少人数学級の推進が必要であることは間違いありません。しかし、国が1千兆を超える借金財政に陥っている状況で、学校教育にかける予算を増やすことは容易ではありません。こういう職場環境のもとでも、子どもたちとの学び合いは、何にも替え難い喜びにつながっています。だからこそ、苦しい中でも多くの心ある教師は現場を離れず、教師仲間と支え合いながら、子どもたちの成長を信じて日々の授業に取り組んでいるのです。多忙ではあっても、子どもたち一人ひとりの人間としての成長を感じながら、同時に自分も人間として成長していける仕事、それが教師という仕事なのです。こんなに魅力的な仕事が他にあるでしょうか。私の専門は特別支援教育です。歴史が好きで社会科の教師になろうと教育学部に入学しましたが、ボランティアで行った病院に入院していた重い障害のある子どもとの出会いが私の進路を変えてしまいました。重い肢体不自由があり、寝たきりだったその子の食事介助やおむつ交換をしながら、この子のために自分ができることは何か、どうすれば自分で食べられるようになるのか、どうしたら自分で寝返ることができるのか、子どもの発達過程と指導法を学びたいという思いを押さえることができませんでした。以来、約40年にわたって、この子らと学び合う関係を築いてきました。私が子どもたちにしてあげられたことはごくわずかですが、彼らとの係わりを通して、私は障害者と社会・経済との複雑な関係にも目を開かれ、福祉や医療の在り方を含め大切なことを学ぶことができました。教師という仕事は、子どもたち一人ひとりの確かな成長を糧として自分が成長していく、とても魅力的な職業です。本学部は、教師としての基礎づくりから発展的な授業づくり、そして学級経営や生徒指導まで丁寧に指導します。学校現場で実践的に学ぶ「学校フィールドスタディ」、急速に増えつつある発達障害児への対応を学ぶ「特別支援教育入門」なども開設しています。教員養成推進室を設置し、教員採用試験対策講座や模擬面接、各種教職支援セミナーも充実しています。こうしたカリキュラムを通して、教師になりたいという皆さんの夢を、本学部は強力にサポートします。子どもたちと出会い、共に学び合う埼玉大学 教育学部長 細渕 富夫

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