医学科卒業生のほとんどは臨床医になりますが、臨床の現場では“よくわからないこと”にしばしば遭遇します。そのような日々の疑問を大切にして、少しでもわかろうとする姿勢は、臨床医の技量向上に欠かせないものです。 自分で課題を探し出し、自分で解決する能力を涵養するために、本学では2つの講義を設けています。1つは第1年次の「基礎医学研究入門」です。この講義を選択した学生は、同時に研究医コース(下記参照)に登録することになり、基礎医学講座や神経難病研究センターなどを見学した上で、1つの研究室を選択して所属します。所属した研究室では、実際の研究活動を見学したり、スタッフの指導のもと自分で実験したりすることができます。もう1つは第3年次の「研究室配属」(必修)で、この講義では学内の各研究室の他、国内外の研究機関で行われる研修コースに参加することもできます。 たとえ小さなことでも、自分で新しい知見を発見できることは何ものにも代えがたい喜びですし、そのような活動をしていく中で、自然と課題探求や問題解決の能力が養われます。課題探求能力・問題解決能力の育成基礎医学研究入門・研究室配属海外での研修については p.21「海外での研修活動」もご覧ください。 学生のうちから研究の面白さを知ってもらおうという考えから、本学では研究医コースを設けています。第1年次の「基礎医学研究入門」の履修からでもいいですし、この講義を選択しなくてもコースに入ることができます。自分がやってみたい研究を行っている研究室を選び、研究医コースに登録すると、研究室に居場所が与えられて、自分で実験を行うことができます。何年か継続して実験していれば、自然とデータも溜まってきますが、そのようなデータを学会で発表する場合には、大学から旅費のサポートを受けられます。研究医コースの先輩の中には、国内学会にとどまらず、海外の学会で発表して英語でディスカッションしている猛者(いえ、普通の学生達です)もいます。自分の可能性を試し、限界(と自分で思っていること)を打ち破るためにも、研究医コースの扉をたたいてみることをお勧めします。研究医コースRESIDENTVOICE│在│学│生│の│声│ 研究医コースはたくさんの可能性に溢れています。私は1年生の時に、今通っている研究室と出会い、興味のある研究分野を見つけました。先生方から実験手技を基礎から学んだり、留学生と英語で話したりと、恵まれた環境で研究しています。私は学生ですが、3年生の時に自分のプロジェクトを持たせてもらい、学内のシンポジウムで発表するという経験を得ました。研究を長く続けていれば、論文に自分の名前を載せたり、学会で研究発表をしたりすることもできます。研究に興味のある方は、ぜひ研究医コースをのぞいてみてください。研究医コースと出会って医学科 第4学年 椿 遥花私立神戸女学院高等学部出身9
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