基礎医学や臨床医学を講義室で学んだ後、いよいよ病棟や外来での臨床実習が始まります。臨床実習に備え、臨床実習入門では医療面接(患者さんのインタビュー)や身体各部の診察方法など、臨床実習に参加するために必要な臨床技能をロールプレイやシミュレーターなどによって学びます。その後、臨床実習を始める前に備えるべき必要最低限の資質(知識・技能・態度の3領域)を有しているかどうかについて、共用試験CBTで主に知識領域、臨床実習前OSCEで主に技能・態度領域について評価を受けます。合格すると、たとえ学生であっても指導医の指導・監督のもとに医行為を医療現場で実施することができる「スチューデント・ドクター」の称号が与えられます。 臨床実習では、本学附属病院や地域の医療機関等において、医療チームの一員として診療に参加するクリニカルクラークシップ形式(診療参加型臨床実習)で更に個々の臨床技能を向上させ、医師国家試験(国試)合格後の医師臨床研修に備えます。 臨床実習終了後、国試形式の卒業試験で主に知識領域、臨床実習後OSCEで主に技能・態度領域について評価を受けます。晴れて合格すると卒業が認められ、国試の受験資格を得ることができます。 臨床実習は本学附属病院のほか、国立病院機構 東近江総合医療センター、地域医療機能推進機構(JCHO)滋賀病院、公立甲賀病院でも行っています。 本学附属病院のような高度先進医療を行う病院だけでなく、滋賀県下の地域医療を担う病院でも臨床実習を行うことによって、プライマリ・ケアを中心とした全人的医療の基礎を習得し、超高齢化社会に対応できる能力を身につけることを目的としています。 東近江総合医療センターと公立甲賀病院が遠隔地型の地域医療、JCHO滋賀病院が都市近郊型の地域医療、とそれぞれの病院が実践・教育研究を推し進めながら、総合診療マインドをもった各分野の専門医の育成に繋げたいと考えています。基本的な臨床技能と地域に貢献する人材育成臨床実習入門から卒業まで学外の臨床実習機関VOICE│在│学│生│の│声│ 臨床実習では5人程度の小グループに分かれ、約1年をかけて主に大学附属病院の各診療科をまわり、実際の診療に参加します。学生は担当患者さんを受け持ち、診療や手術見学に参加して診断から治療に至る一連の流れを学びます。実習開始前までにも座学で多くの知識を学んできましたが、自分の目で患者さんを診ながら勉強し、臨床の現場で実践できる活きた知識を身につけることができる点が臨床実習の一番の魅力だと感じています。 また、臨床実習は自分の将来を考える大切な時期でもあります。全診療科の実習後、6年時にはアドバンスコースで興味のある科を選択して実習し、より深く学びます。臨床実習について医学科 第6学年 緒方 綾子長野県立飯山北高等学校出身10医学部医学科
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