滋賀医科大学 大学案内 2022
9/44

 県内の診療所から紹介された患者さんの自宅を継続的に訪問することで、心理面、経済面、家族社会背景など、その患者さんをとりまく状況を幅広く捉えながらケアを行う「全人的医療」について学ぶ科目です。 近年、医療が細分化・高度化したことにより、患者を一人の人間として診ることを忘れがちであるという問題が指摘されています。この科目では、医師に求められているものは何か、良医とは何かを一般市民から直接学ぶことで、全人的医療について新入生の時期から考える機会になっています。地域とともに行う全人的医療教育全人的医療体験学習写真掲載には患者さんの同意をいただいております。 一般選抜に「地域医療枠」を、学校推薦型選抜に「地元医療枠」をそれぞれ設け、地域医療に強い意欲を持つ学生を募集しています。この制度では、卒業後一定期間の地域医療等への従事を条件とする滋賀県による奨学金の貸与を受けることができます。 本学では、滋賀県医師キャリアサポートセンターと連携し、専門医を保有しながら滋賀県で働く医師を養成することに加え、総合診療医を目指し、地域医療を牽引してくれるリーダーの育成も目標にしています。「地域医療枠」と「地元医療枠」で入学した学生は「地域医療重点コース」に在籍します。行政機関や本学の地域医療教育研究拠点における早期からの教育研修、滋賀県医療人育成協力機構と連携した様々な課外活動への参加など、滋賀県の医療を理解してもらうためのプログラムを受講することができます。詳細については各学生募集要項を参照してください。地域枠・地域医療重点コースPICK UP!VOICE│在│学│生│の│声│ 「全人的医療体験学習」では、本来であれば、患者さんのお宅に年に数回訪問しますが、今年はコロナ禍であったこともあり、オンラインでのインタビュー実習となりました。その中で私は患者さんとコミュニケーションの場を実際に共有できないオンライン診療の難しさを感じるとともに、医師と患者さんの目線には隔たりがあることを実感しました。医学生は、学ぶにつれて患者さん目線で物事を考えにくくなってきます。だからこそ、患者さんの視点を持っている医学部の低学年で、患者さんと話すことを目的とした実習を経験できたことは、将来患者さんが望む医療を提供するうえで貴重な経験であったと感じます。患者さんが望む医療の提供を目指して医学科 第2学年 中居 樹哉滋賀県立彦根東高等学校出身8医学部医学科

元のページ  ../index.html#9

このブックを見る