滋賀医科大学 大学案内 2024
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21 保健師とは、保健指導により人々の健康および生活の質(Quality of Life)の向上を目指した保健活動を通して、コミュニティレベルの健康水準を高める看護専門職です。主な活動の場は、1行政:都道府県や市町村の保健所・保健センター、 2産業保健:企業や事業所の健康・安全部門、健康保険組合、3高齢者の総合的な支援を担う地域包括支援センター(市町村が設置)です。 保健師が担う健康課題には、生活習慣病の発症予防や重症化予防、介護予防、育児支援、コロナ感染症・結核などの感染症対策、健康格差の是正など、子育て支援や支援的な環境づくりがあります。こうした課題は、経済成長や国際化、人口の高齢化、地域社会の脆弱化、家族機能の弱体化など、時代の影響や社会環境が複雑にかかわっています。そのため保健師は、問題を抱える当事者やその家族だけでなく、コミュニティや地域全体を対象として活躍しています。 本学では、根拠に基づいた公衆衛生看護活動を実践できるようデータ分析や事例検討などの能動的な学習を通じて基本的な力を養うカリキュラムと学習環境、実習プログラムを用意しています。 実習は、県内の保健所や保健センターと近接府県の事業所で行います。待から、医学科産科学婦人科学講座、小児科学講座との連携により、能動的学習を導入した教育プログラムを実践しています。2020年度には、分娩介助シミュレータが導入され、より助産実践教育が充実したものとなりました。教育媒体の充実、助産学教員の臨床経験の積み上げを意識していることで、助産教育の質が確保された教育体制が整っています。産科学・助産学の根拠を提示しながら、思考過程と助産技術の修得が体験できる充実したカリキュラムになっています。保健師課程(選択制:30名)助産師課程(選択制:6名程度) 助産師は、女性の生涯にわたる性と生殖の健康を支援する医療専門職です。出産のサポートはもちろん、妊娠、分娩後の女性、新生児への保健指導、さらには関連する健康相談や啓発活動も行います。 本学の助産師課程では、母子保健や女性の健康に関する課題について、助産師に求められる役割と責任を理解し、必要な助産診断と助産技術を修得することを目的として教育に取り組んでいます。特に、近年の助産師に求められる能力と実践への期

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