滋賀医科大学 大学案内 2024
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施設案内34 神経難病研究センターは、基礎研究ユニット(分子神経病理学部門、MR 医学研究部門)、橋渡し研究ユニット(神経診断治療学部門)、臨床研究ユニット(脳神経内科学部門)からなり、アルツハイマー病や前頭側頭葉変性症、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症など神経変性疾患の病因・病態解明に基づく診断・治療法の開発とその臨床応用などを通じ、神経難病の克服に資する研究を推進しています。神経難病研究は、本学の最も強みとする研究分野であり、当センターは分子レベルでの解析からモデル動物を用いた解析まで国際的な最先端研究を行うとともに、地域連携の強化や産学官連携の推進を通し、地域に貢献し国内外で広く活躍できる研究リーダーや専門医の育成に取り組んでいます。 動物実験を実施するための中心的機能を果たす学内教育研究施設です。マウス、ラット、モルモット、ウサギ、ブタ、サル類などが、いずれも国際基準に即した適切な環境下で飼育されています。マウス、ラットおよびサル類の感染実験施設があること、学内外との大規模な共同研究が可能なサル類の実験施設があることが特徴です。世界的にも希有なカニクイザルの人工繁殖技術を保有し、微生物学的ならびに遺伝学的に統御された個体の作出が可能です。この技術をもとに、緑色蛍光タンパク質GFPを全身で発現する遺伝子改変カニクイザルやアルツハイマー病モデルザル、多発性腎嚢胞症モデルザル(ADPKD)の作出に成功し、現在さらに神経難病、がん、生活習慣病などのヒト病態モデルザルの作出に取り組んでいます。また、移植免疫寛容型の個体が計画的に作出され、iPS細胞等を用いる再生医療の前臨床試験などに広く利用されています。その他に新型コロナウイルスワクチンや治療薬開発のための前臨床試験を実施しているほか、京都大学とともに文部科学省「世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)」を推進しています。これらの実験は、動物に関する特殊技能をもった動物生命科学研究センターの職員によって支えられています。 NCD疫学研究センター(旧アジア疫学研究センター)は、我が国初の「疫学研究拠点」として2013年に開設されました。大規模な疫学調査に対応可能なデータ管理機能・バイオバンク機能・リサーチクリニック機能を兼ね備えています。心臓病・脳卒中などの循環器病、およびその危険因子である糖尿病・高血圧、さらに、認知症など、非感染性疾患(NCD)の増加は、わが国および世界において深刻な健康問題になっています。本センターはわが国の疫学研究教育の拠点となり、非感染性疾患(NCD)の予防に関する最先端の疫学研究、国際共同疫学研究を推進しています。現在、国民代表集団の追跡研究NIPPON DATA、滋賀動脈硬化疫学研究(SESSA)、滋賀県循環器病登録研究、高島研究、国際共同研究INTERMAPなどの研究を進めています。 国際共同研究はロンドン大学、ピッツバーグ大学、ハワイ大学、ノースウェスタン大学などの研究機関と行っています。また、研究成果は国の政策立案や学会ガイドライン作成にも活用されています。 創発的研究センターは、年齢、国籍、性別、研究分野などにとらわれない多様な人材を結集し、長期的視野に立って自由で挑戦的・融合的な研究を推進し、メディカルイノベーションに貢献する目的で、2022年4月1日に開設しました。挑戦的研究部門では、次世代の重点研究や若手研究者の育成を図る目的で、独立した研究環境を若手研究者に提供します。国際共同研究部門では、老化に関する国際共同研究を推進するとともに、開学50周年にあたる2024年にマレーシア国民大学との間でダブルディグリープログラムを開設することを目指しています。先端医療研究開発部門では、医工連携研究で生み出したコア技術を産学連携研究で実装化し、最先端医療機器の開発に挑戦します。※ ダブルディグリーとは日本の大学と外国の大学が、教育課程の実施や単位互換等について協議し、2つの大学がそれぞれ学位を授与するプログラムのことです。神経難病研究センター動物生命科学研究センターNCD疫学研究センター創発的研究センター

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