滋賀医科大学 大学案内 2024
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│在│学│生│の│声│8 県内の診療所から紹介された患者さんの自宅を継続的に訪問することで、心理面、経済面、家族社会背景など、その患者さんをとりまく状況を幅広く捉えながらケアを行う「全人的医療」について学ぶ科目です。 近年、医療が細分化・高度化したことにより、患者さんを一人の人間として診ることを忘れがちであるという問題が指摘されています。入学後の早期の段階において、医師が真に求められているものは何かを患者さんやそのご家族から直接学ばさせていただくことで、全人的医療について考える良い機会になっています。 なお、新型コロナウイルス感染拡大の状況下では、オンラインで患者さんやそのご家族と面談させていただきました。PICK UP!オリエンテーション時のロールプレイで学生の中から患者さん役を選び、質疑応答を練習する様子VOICE 本学では「地域枠」制度を設け、一般選抜では「地域医療枠」、学校推薦型選抜では「地元医療枠」として、地域医療に強い意欲を持ち、将来滋賀県の地域医療を牽引し得る学生を募集しています。 地域枠として入学した学生は、卒業後一定期間滋賀県内の地域医療へ従事することを条件とした滋賀県医師養成奨学金の貸与を受け、「地域医療重点コース」に在籍します。 「地域医療重点コース」は、在学中から卒後にかけて、通常の学生と比較してより手厚い学修支援とキャリア形成に関する支援を受けられることが魅力です。 学修支援としては、本学の地域医療教育研究拠点病院・行政機関における第1学年からの継続的な教育研修や、宿泊研修(p.26参照)に参加することができます。 キャリア形成支援としては、滋賀県医師キャリアサポートセンターと連携し、滋賀県で活躍する先輩医師を招いた講演会の企画や、年1回以上実施するキャリア面談により、在学中から卒後のキャリアを明確に描けるよう支援します。なお、卒業後は、個々のキャリア実現のため、専門医の取得や大学院の進学も見据えて支援を行います。 私は第1学年のうちから医療体験ができること、また患者さんのバックグラウンドを含めた医療について考え学ぶことができる機会であるということを聞き、この全人的医療体験学習を履修しました。コロナの影響からオンラインでの体験実習となり、実際に会ってコミュニケーションをとれないことの難しさを感じることもありましたが、その中でも患者という立場からみた医療について様々なことを学ぶことができました。特に患者さんは病気を治療してもらうことよりも、自分の気持ちにしっかり寄り添ってくれているかという過程の方が大切だというお話はとても印象的でした。実習を通して学んだことを今後医師として実践していきたいと思います。医学科 第2学年 冨江 蓮滋賀県立彦根東高等学校出身全人的医療体験学習地域とともに行う全人的医療教育地域枠・地域医療重点コース全人的医療体験学習での学び

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