│在│学│生│の│声│11 「プロフェッショナリズム」とは、一義的に定義することが難しい概念ですが、医学教育モデル・コア・カリキュラムの言葉を借りれば、医師の職責を理解していること、誠実で信頼のおける態度や品格・礼儀・教養を備えること、確固たる倫理観を有すること、常に省察し自己を高め続けることなど、医のプロフェッショナルとして相応しい態度のことと言えます。 医学科では、プロフェッショナリズムを形成するために、コーチング演習を通じてコミュニケーションやセルフケアを学ぶ「プロフェッショナリズム基礎」、「生命倫理学」、「医療倫理学Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ」などの倫理学系科目、「法学」、「社会学」など、医療を社会の一部として捉えることで医師 の職責を多角的に考えることを目的とした社会科学系科目などを、第1学年から第6学年まで継続的に学習できるように教育課程を編成しています。 本学医学科では、確固たる倫理観を涵養するため「生命倫理学」や「医療倫理学」など継続的に倫理学系科目の学習機会を設けています。 これに加え、特筆すべきは第2学年の前期から開始する解剖実習です。解剖実習は、将来医師となる学生が人体の構造と生命の尊厳について学ぶことのできる大変貴重な機会です。本学では、献体受入からご遺骨の返還までを学生自らが行います。ご献体くださった故人お一人お一人をお迎えする献体受入式では、 ご遺族から、故人のご遺志と共に温かい励ましのお言葉をいただきます。また、解剖実習修了後の納骨慰霊法要では、お世話になった故人のご遺骨をご遺族にお返しします。 医学生が医療人としてのあるべき姿を追求しつつ、良き医師へと成長するために必要な倫理観を涵養できるよう、本学ではご献体くださった故人とご遺族の想い、ひいては社会の皆様の医師や医療に対する思いを肌で感じる機会を設けています。「プロフェッショナリズム基礎」授業風景解剖体納骨慰霊法要 第2学年では解剖実習で解剖学を学びます。「やっと医学部っぽいことが始まった!」という期待と同時に、ご献体を目の前にして、今までに経験したことのない緊張を感じました。解剖実習は日々学びの連続で、臓器の構造、筋肉の位置、血管や神経の走行など、実際に解剖しなければ見えてこないものがたくさんありました。一番印象的だったのは心臓の解剖で、心臓を実際に手に取った時の感覚やその時の感情は今でもはっきりと覚えています。解剖実習を通じて人体について具体的にイメージできるようになり、また、医師を志す気持ちがより強くなり、とても貴重な経験ができました。医学科 第3学年 駒井 亮太滋賀県立膳所高等学校出身解剖実習で学んだことプロフェッショナリズム教育倫理教育豊かな“人間性”と確固たる“倫理観”を育む
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