│在│学│生│の│声│ 共用試験は、医師法第17条の2に「臨床実習を開始する前に修得すべき知識及び技能を具有しているかどうかを評価するために大学が共用する試験として厚生労働省令で定めるもの」と規定される厳格な試験で、医学知識を測定するCBT(Computer Based Testing)と診療技能や態度を評価する臨床実習前OSCE(Objective Structured Clinical Examination)から構成されています。 合格すると、たとえ学生であっても指導医の指導・監督のもとに医行為(処方箋の交付を除く)を医療現場で実施することができる「臨床実習生(医学)」の称号が与えられます。 いよいよ臨床実習が始まり、白衣に袖を通した時は、喜びと同時に身の引き締まる思いでした。臨床実習では、それまで座学で学んできた多くの知識が、臨床の現場でどのように活かされるのかを学ぶことができます。外来で予診を取る実習では、患者さんから必要な情報を漏れなく聴取することや、得られた情報から鑑別診断を想起することの難しさを痛感しました。また、手術見学では、医学書で読むだけではイメージしづらい手技を実際に自分の目で見ることでよく理解することができました。臨床実習は毎日が新しい学びの連続で、とても充実した時間を過ごすことができます。13 第4学年からは、病棟や外来での診療参加型臨床実習(Clinical Clerkship)が始まります。 診療参加型臨床実習とは、医師の診察を見学するに留まらず、学生が診療チームに参加し、その一員として病棟や外来で実際の患者さんからお話を聞いたり診察や検査を実施したりすることで、医師の職業的な知識・思考法・技能・態度の基礎を学ぶことを目的とした実習です。 しかし、限られた範囲とはいえ医師免許を持たない医学生が患者さんに対して医療に関する行為を行うことで、患者さんの安全を損なう可能性が生じてしまいます。そこで、患者安全を確保した状態で質の高い医師養成を実現するための方策として、第4学年に実施する「共用試験」に合格した学生だけが診療参加型臨床実習に進むことができる仕組みになっています。 本学医学科では、共用試験に先立ち、身体各部の診察方法や医療面接(患者さんへのインタビュー)など臨床実習に参加すPICK UP!るために必要な様々な臨床技能をロールプレイやシミュレータを用いて学習する「臨床実習入門」を開講し、診療とチームの一員として学ぶにふさわしい技能の習得を目指します。 共用試験合格後は、本学医学部附属病院の各診療科や地域医療教育研究拠点、地域の診療所等において、約60週以上に及ぶ診療参加型臨床実習を経て、大学を卒業するために十分な知識・診療技能・態度を身につけていきます。なお、第6学年次の「学外臨床実習」では、個人の興味関心や能力に応じ、県下の市中病院だけでなく、海外の医療機関における臨床実習を経験することも可能となっています。 臨床実習修了後、国家試験に準じた形式の卒業試験で主に知識領域、臨床実習後OSCEで主に技能・態度領域について評価を受け、それらに合格すると卒業が認められ、医師国家試験の受験資格を得ることができます。医学科 第6学年 安見 亜理衣私立大谷高等学校出身共用試験と診療参加型臨床実習臨床実習について地域における臨床実習を通じて専門的な“診療技能”を育む
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