滋賀医科大学 大学案内 2025
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国立大学法人滋賀医科大学長上 本 伸 二 滋賀医科大学は「地域に支えられ、地域に貢献し、世界に羽ばたく大学」を理念としています。地域・国・世界の医学・医療を担う高い志を持った人材、リサーチ・マインドをもったclinical scientist、豊富な知識・教養と高い倫理観を備えた次世代のリーダーを育成するための教育を実施しており、特に医学教育については、世界医学教育連盟(WFME)の国際水準に準拠した教育を実施しています。 医学部医学科では、幅広い教養と十分な専門知識、高い臨床技術を基礎学(教養教育)、基礎医学、臨床医学の3つの課程で修得し、臨床実習生(医学)として本学医学部附属病院と関連病院で診療参加型臨床実習(クリニカルクラークシップ)を行います。また、医学研究者を志す学生のために、早期に研究に着手することができる「研究医養成コース」も開設しています。加えて、2020年度入学者から「地域医療枠」と「地元医療枠」を設けるとともに、「地域医療重点コース」を開設し、地域医療のプロフェッショナルを養成しています。 医学部看護学科では、幅広い人間性と、看護職に必要な学識・能力・技術を修得するため、医学科との合同授業や専門科目における学習の積み重ねを重視した教育、充実した看護学実習を行っています。また、第3学年からは、選抜を経たうえで、助産師課程(6名程度)または保健師課程(30名)、そして訪問看護教育のための「訪問看護コース」(10名程度)のいずれかを選択することもできます。加えて、大学院医学系研究科看護学専攻博士前期課程に「高度実践コース(特定行為領域)」を開設しており、学位取得を目指しながら特定行為研修を受講することもできるほか、2024年4月には、本学の使命である看護学における多くのリーダー輩出のため、大学院医学系研究科看護学専攻に新たに博士後期課程を設置しました。 両学科共通の新たな取り組みとして、2024年度より、正規のカリキュラムに入学後早期からのFitness to practice(医療者としての適格性)教育を導入しています。これは、倫理教育とプロフェッショナル教育のさらなる充実を図ろうとするものであり、学生それぞれが将来の医療人として、医学部に入った目的を再認識し、その目的を達成するためにはどのように行動すべきかを考える機会とするとともに、法の遵守と倫理、ジェンダーと性被害などについての理解を深めようとするものです。 そのほかにも、両学科ともに早い段階から医療現場を経験し、自分の将来像を描く機会として、第1学年から本学医学部附属病院にて体験実習を行っています。さらには、在学中に一定期間、海外で研究活動や臨床実習等、国際的な活動を行う機会を設けており、海外の協定校等へ多くの学生を派遣し、グローバルな視点を養っています。また、本学卒業生と地域住民の皆様が里親・プチ里親として本学の医学生と看護学生を支援していただく、「地域『里親』学生支援事業」があり、里親・プチ里親と学生の双方に大変好評です。 ところで、医学生と看護学生は、ともに医療の分野での活躍を目指して学んでいるため、学生間の結束が強く、多くの体育系・文化系の課外活動を合同で行っています。日常的なクラブ・サークル活動のほか、春の浜松医科大学との交流会、夏の西日本医科学生総合体育大会、秋の学園祭(若鮎祭)や学外とのさまざまな交流を通じて、多くの学生が課外活動を楽しんでいます。将来、皆さんが働くことになる医療の現場では、チーム医療が欠かせません。課外活動を通して培った仲間との貴重な経験が、医療の現場でも活かされると思います。 また、本学の診療について、医学部附属病院は、手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」やハイブリッド手術室などの先進的な設備を整え、広域の救急医療、急性期医療にも対応しており、高度医療を提供する「信頼される大学病院」として高い評価を得ています。研究についても、アルツハイマー病を中心とする神経難病に関する研究、カニクイザルを用いた医学研究、非感染性疾患などに関する疫学研究、がん研究などの独創的な研究が活発に行われ、それぞれ成果をあげています。 最後に、琵琶湖をはじめとする豊かな自然と数々の歴史・文化資産に恵まれた環境に立地する本学は、2024年10月に開学50周年を迎え、これまでに多くの優れた医療人を輩出してきました。将来、病気などで苦しむ人々のために働き、これからの医学・医療を担って健康な社会づくりに貢献しようとする意欲ある皆さんの入学を、心からお待ちしています。4学長からのメッセージ優れた医療人の育成、特色ある医学・看護学研究、先進的な医療の実践を目指して

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