滋賀大学 令和6年度(2024年度)入学者選抜要項
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−58−活を送ることができます。 学校教育教員養成課程は,初等教育コース・中等教育コース・障害児教育コースの3コースから構成されており,初等教育コースと中等教育コースは,さらに,教科の専攻・専修に分かれます。各専攻・専修の概要は,次のとおりです。 ①初等教育コース 教育文化専攻 学校を軸としながら,家庭,地域,社会といった教育の場の広がりや相互の関連のなかで,そして人間の生涯という時間軸のなかで,教育を捉えなおす能力や教育者としての仕事を理解し今後の学校教育のあり方を構想できる能力を身に付けた教員の養成をめざしています。そのために,教育の理念や制度といったフォーマルな観点に加え文化の側面からも生きた教育を多角的・統合的に捉えなおす能力を,また教育の場における現代的諸課題を主体的・多面的に洞察できる能力を,具体的な教育現実の省察を通して育成します。教育学及び関連する分野の基礎的な学習はもちろん,学校及び社会の多様な場における教育や学習活動を実践的に体験し,理論と実践の往還的学習ができる機会を多く設けています。 ②初等教育コース 教育心理実践専攻 児童・生徒の成長過程とその背景,学習の過程と教師からの指導方法,子どもと他者・社会との関わり,学校の諸問題に対する心理的な支援の方法,進路や職業の選択など,学校において,児童・生徒を深く理解し指導するうえでの重要な課題について学びます。子どもを心理的な面からとらえることにより,現代の子どもをめぐる困難な問題を解決する理論的背景を知り,同時に臨床的なまなざしに根ざした実践的な対応力を身に付けます。 ③初等教育コース 幼児教育専攻 生涯発達の基盤となる乳幼児期の重要性を踏まえ,幼児教育学,幼児心理学,幼児教育方法学を柱として,乳幼児期の子どもの発達とそれを援助する幼児教育の理念及び方法について学びます。保育士資格については国家試験による取得を推奨し,卒業時までの資格取得をサポートするとともに,保育所・認定こども園で必要となる知識や保育実践力について学ぶ科目もカリキュラムとして用意しています。子育て支援や小学校教育との接続といった幼児教育・保育が直面している今日的課題にも幅広く取り組める,幼稚園教諭や保育教諭を養成します。 ④初等教育コース 国際理解教育専攻 異なった国や民族の人々の歴史・文化・生活を互いに尊重し,理解し合うことのできる国際的な視野を持ったこどもを育てるための理論と方法について学びます。多文化共生,ダイバーシティ,言語文化を中心としたカリキュラムを用意し,学校における国際理解教育のリーダーとして活躍できる教員,さらに,日本の学校に在籍する外国にルーツを持つ児童・生徒に対する教育支援のできる教員の養成を目指します。 ⑤初等教育コース 環境教育専攻 身近な自然や生活の中で自分と環境のかかわりに気づき,理解し,行動を起こせる子供を育てるには,知識として環境の大切さを学ぶだけでなく,具体的な活動や体験を通して,人や社会,自然とのかかわりに関心をもつことが大切です。環境教育専攻では,このような活動や体験を核とした環境学習を教科横断的に実践できる教員を養成します。環境に関する講義科目に加え,琵琶湖を中心とした自然豊かなフィールドで行う湖沼学実習や栽培実習などの実習科目,子供たちの体験活動を企画・運営する演習科目などを通して,環境に関する科学的な力と環境学習をコーディネートする力を身につけます。 ⑥初等教育コース 初等理科専攻 自らも理科を楽しみながら理科の面白さを伝えられる教員の養成を目指しています。自然界の事象に対する疑問について,観察・実験を通して児童自らが考え,その答えを見つけられるように指導や支援を行うことが重要と考えます。そのためには,学校現場での指導経験を含めてより実践的な体験も行う必要があります。そこで,小学校教科の中でも理科を得意分野とすることができるように,物理・化学・生物・地学各教科専門教員の指導により小学校理科の観察・実験で必要な技能を身に付け,さらに理科教育学専門教員から児童の考え方やそれにもとづく教育法を学びます。

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