TechTech~テクテク~No.28
2/16

アインシュタインによる100年前の理論を“今”実証する重力は、伸縮性のあるゴムシートに質量のある物体を置いた状況に例えられる。物体が動くと空間のゆがみができることをイメージしてほしい。そのゆがみの振動が重力波であり、その検出は非常に難しいとされている。 アインシュタインが1915年に発表した一般相対性理論は、物理学の世界に革命的な変化をもたらした。この理論では様々な物理現象が予言されているが、そのうち唯一、100年経った今でも誰も観測に成功していないのが重力波だ。 質量をもつ物体はすべて時空のゆがみを引き起こす、というのが一般相対性理論の考えだ。そして物体が運動すればゆがみも運動し、その運動が波となって伝わる。重力波とはこの波のことを指す。 数億光年離れた宇宙空間で、超新星の爆発や中性子星※連星の合体などが起こると、重力波は地球にまで届く。大学院理工学研究科基礎物理学専攻の宗宮研究室では、それを観測すべく、大型重力波検出器「KAGRA(かぐら)」の研究開発に参加している。重力波検出器「KAGRA」※超新星爆発を起こした質量の大きな星の核が残ったもので、大きさは10km程度と小さいが重さは太陽と同程度と非常に密度が高い。Tech Tech2

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る