TechTech~テクテク~No.28
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重力波アインシュタインがその存在を予言してから1世紀が過ぎても、誰も観測に成功していない「重力波」。宇宙の起源を知る手がかりとしても注目される、重力波の検出を目指す大型プロジェクトが佳境を迎えている。1999年、東京大学工学部物理工学科卒業。2004年、東京大学新領域創成科学研究科物質系博士課程修了。ドイツのマックスプランク研究所、米国カリフォルニア工科大学、早稲田大学などでの勤務を経て、2011年より東京工業大学大学院理工学研究科理学研究流動機構准教授。2014年より現職。大学院理工学研究科基礎物理学専攻宗宮健太郎准教授Kentaro SomiyaLabo 01 宗宮健太郎准教授は言う。 「重力波は一般相対性理論が予言したもののなかでもっともダイナミックな現象で、その存在を唯一証明されていないものです。重力波は物体を貫通する性質があり、100億年前に放出された重力波が現在も減衰することなく存在していると言われています。この性質を利用すると、電磁波などほかの観測手段では見ることのできなかった場所、例えば中性子星の内部や密度の濃い初期宇宙の姿も知ることができる。重力波は、天文学の新しい道を開く手段にもなるわけです」2015 Autumn3

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