TechTech~テクテク~No.29
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に思えるが、人の歩行速度や角を曲がるときの動きをリアルタイムで測るには数十万円もの装置が必要でなかなか実用化されてこなかった。そこに突破口を見出したのが、機械宇宙システム専攻の鈴森・遠藤研究室だ。ロボットを紐でつなぎ、その紐の長さと向きをセンサーで感知し、自動で向きと速度を変えて人の後ろをついていく仕組みを考案。常に酸素ボンベを運ばねばならない患者さん向けに公道で実証実験が行われており、3年以内に15万円以下での実用化を目指している。く人の後を追ってついてくるロボット」。現代の技術なら簡単に実現できそう換手術による患者の身体負担やバッテリー残量への不安がつきものだ。その問題を解決するため、機械物理工学専攻の土方准教授が研究を進めているのが「体内発電システム」。体内で筋肉に電気刺激を与えて収縮させ、その力を電気エネルギーに変換して機械を動かすのだ。医療デバイスはもちろん、将来実用化が見込まれる健康モニタリング装置や人工網膜などへの活用も期待されている。ースメーカーや人工内耳などの埋込み型医療デバイスには、定期的な電池交は大きい。こうした問題を解決するために注目されているのが、土木工学専攻の朝倉教授が進めている「交通ネットワーク上でのヒトやクルマの動き」の研究だ。過去の事故発生データはもちろん、GPSや携帯電話などの移動体通信機器やWebを用いてヒトの交通行動や自動車の流れを解析。危険や渋滞の発生を予測可能にし、よりスムーズな交通インフラの整備に役立てるのだ。レジャーシーズンに交通渋滞はつきものだが、将来は渋滞を気にせず安全かつスムーズに旅行を楽しめるようになるかもしれない。都高速道路で1日に発生する事故数は約35件。それによって引き起こされる交通渋滞や遅延が暮らしに与える影響変わる、わたしたちの東工大の研究で東工大で行われている研究の数々は、やがて研究室を飛び出し、暮らしと密接にかかわる技術となって社会に変化をもたらします。それはまるで、アニメやSF小説で見た「未来の暮らし」!?実用化が期待される研究の一例を紹介します。身体「発電所」私たちのそのものが首歩「ペスムーズ日本の道路が世界でいちばんになる東工大の研究についてさらに知りたい方はこちら東工大ホームページhttp://www.titech.ac.jp/research/index.html暮らし!?!?Illustration:Teppei WatanabeTech Tech10

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