TechTech~テクテク~No.29
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ずお腹が鳴ったことはないだろうか。嗅覚は五感の中でも情動的な反応を引き起こすと言われているが、精密工学研究所の中本研究室ではこの「匂い」を自動で調合し発生させる「香り調合発生装置」の開発が進められている。32種類の匂いの元をベースに、操作に応じてコンピューターが匂いを調合し発生させるのだ。ゲームをはじめとするアミューズメントやレストランのディスプレイ、医療検査など、幅広い分野での応用が考えられている。3D映画の次に来るのは、「香る」映画ブームかも!?飯時に近所の家から漂ってくる生姜焼きの香りに、思わ夕ターの活躍が期待されるが、時代はさらにその先を歩み始めている。物性物理学専攻の西森教授らが研究する「量子アニーリング理論」を用いた、新たなコンピューターが登場したのだ。このモデルは、条件を満たす組み合わせ集合の中からもっともよい組み合わせを探す「組み合わせ最適化問題」を解く手法のひとつで、計算処理時間を大幅に短縮できる。2014 年にはGoogleも「量子コンピューター」のハード開発着手を発表。従来のコンピューターでは解けない問題を、数年後には量子コンピューターが瞬時に解決するかもしれない。ッグデータの計算処理には超高性能なスーパーコンピュー「匂い」映画が登場をたのしむロボットが荷物運びをしてくれる!救う!?ロボットが職人不足をコンピューターのまだまだ進化?計算速度はいAIといえるだろう。情報処理をプログラムされた従来のロボットとは異なり、アルゴリズムにより人工脳自身が「勝手に」学習し、まるで子どもが学習するように成長していく。例えばドローン操縦のお手本を5分間与えるだけで、自分で操作できるようになるのだ。2014年、長谷川准教授はSOINNを活用したサービスを提供する会社を起業。ビジネス現場での複雑なデータ処理から一般向けの家計簿アプリまで、幅広く実用化され始めている。またSOINNは、機械化が難しいベテラン職人の技を学習させることもできる。IT業界のみならず、後継者不足に悩む伝統工芸分野においても救世主となるかもしれない。情報工学研究所の長谷川研究室が開発する人工脳SOINNは、人の脳に最も近像ビ!?112016 Spring

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