TechTech~テクテク~No.29
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建築学科ではカリキュラムが進むと「自由課題」が出されます。そこで選んだのが、墓地。普通の建築物なら資料(既往作品)ある疑問をきっかけにお墓研究の道へ進路お墓研究集成がありますが、墓地 はなぜか見当たりません。「誰もが使う施設なのに…」。この疑問から、お墓研究が始まりました。 を創る先輩がいる。今「お墓」という一風変わったテーマを学生時代から研究し続けている「お墓博士」こと、横田睦さん。業界向けのコンサルティングからテレビ出演、本の執筆など、幅広く活躍されています。これまでの歩みと、研究や仕事において大切にされている「作法」についてお聞きしました。 「お墓博士」なんて呼ばれていますが、普段は公益社団法人全日本墓園協会の主任研究員として、墓地の計画や管理・運営に関する研究を行っています。新たに墓地を計画する際のコンサルティングや指導に携わることも多いです。「お墓」にまつわる慣例や法律は昔から変わっていないように思われがちですが、制度改革や社会情勢の波を受けることも多く、実はなかなか大変な世界なんですよ。 そんな私が工学博士だというと、不思議に感じる方がいるかもしれません。お墓や葬儀関連のテーマは、人文系の視点で語られることがほとんど。工学的なアプローチでお墓を研究し始めたのは、私が初めてだったのではないでしょうか。大学時代から研究を始め、ずいぶん“変わり者”扱いをされました。でも、それは「お墓」というテーマのためなのか、あるいはそうしたテーマを選んだ私自身のキャラクターのせいなのか、どちらなんでしょう(笑)。 理系の視点からお墓を研究する…誰もやってこなかった分野ですから、もちろん先行研究もありません。国立国会図書館やほかのあらゆみんなの知らないことを、探して、伝えたい。分野の壁を超えて、何事も、実際に目で見ることが何より重要。学生時代には都内すべての納骨堂を回り、調査データにまとめたことも。そのときのデータを納骨堂の運営会社が評価してくれ、新たな研究を支援してくれるなどチャンスが広がりました。大学時代都内の納骨堂約200カ所を制覇!約200カ所を制覇!全日本墓園協会 主任研究員日本環境斎苑協会 常任理事横よこ田た 睦むつみ12Tech Tech
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