TechTech~テクテク~No.29
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Labo 01害物の測定を可能にしたり、CO2の排出抑制や省エネルギーに役立ったり̶。こうした環境問題に直接貢献できる材料の開発や、省エネルギー化を実現するプロセスの研究は、すべて環境材料の研究であると私たちは考えています」 この非常に広範な研究を進める上で、中島・松下研究室が着目しているのが「表面/界面科学」のアプローチだ。物質の表面/界面は光・熱・電子などとの直接的な接点であり、様々な化学反応が起こる「場」でもある。その構造や組成を上手く制御すれば、固体に 温暖化や大気汚染・水質汚染といった地球環境問題がいよいよ深刻化するなか、対策の切り札となる新技術への期待が高まっている。この環境問題の改善・緩和に“材料”の視点から取り組んでいるのが、大学院理工学研究科 材料工学専攻の中島・松下研究室だ。 「“環境材料の研究”というと、リサイクルしやすい材料や自然に分解される材料など、環境に調和した材料を開発することだと思う人が多いかもしれません。でも役割は、実はそれだけに留まらない。例えば大気中や水中にある有害物を分離・分解したり、微量有大学院理工学研究科 材料工学専攻1985年、東京工業大学無機材料工学科卒業。1987年、同大学院無機材料工学専攻修士課程修了。日本鉱業株式会社での勤務を経て、1997年 ペンシルバニア州立大学大学院材料科学専攻博士課程修了。東京大学先端科学技術研究センターなどを経て、2003年、東京工業大学助教授。2009年より現職。中島 章教授Akira Nakajima(写真中央)1996年、東京大学工学部卒業。2000年 同大学院工学系研究科応用化学専攻博士課程修了。理化学研究所基礎科学特別研究員、同フロンティア研究システム研究員、日本大学文理学部物理生命システム科学科准教授などを経て、2010年より現職。松下 祥子准教授Sachiko Matsushita(写真左)2003年、名古屋工業大学大学院修士課程修了。2006年、東京工業大学大学院博士後期課程修了。2006年、国立研究開発法人産業技術総合研究所産総研特別研究員。2008年、東京工業大学材料系グローバルCOE特任助教。2010年より現職。磯部 敏宏助教Toshihiro Isobe(写真右)環境材料の研究に、「表面/界面」からアプローチTech Tech2

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