東京都立大学(現首都大学東京) 大学案内2020
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国土交通省 国土交通大学校/総務部総務課 人事係長特集1卒業生インタビューProle髙木 敬央 さん旧 都市教養学部 都市教養学科法学系 法律学コース(現 法学部 法学科 法律学コース)2012年3月 卒業TMU #RESEARCH&ACTIONReport02 より多くの人の暮らしを支える“縁の下の力持ち”のような仕事がしたいと思い、国土交通省(以下、国交省)に入省しました。入省して7年、国家公務員の多くが1~3年で異動や転勤を繰り返すように、私も2年ごとに職場が変わり、これまでに4つの部局に籍を置きました。その間、大きく報道された建設業界の不祥事の収拾に当たったり、国会対応に奔走したり、昼夜を問わない仕事も経験。現在は、国土交通省の研修機関である国土交通大学校に勤務しています。 ここでは国交省の職員だけでなく、地方公務員等に向けた研修も実施しています。国や地方自治体等で社会資本の整備や交通政策の推進に関わる職員の能力を高め、国土交通行政の質を高めることを教育の目的としています。 勤務する小平本校は、道路や河川など社会資本の整備にかかる建設・土木領域の研修校。年間に5,000人超が受講する研修を計画・運営する職員の、人事評価や昇格・昇給などを管理することが私の仕事です。 公務員の仕事は、担当する業務に関わる法令が常に拠りどころとなります。私も異動するごとに、仕事に関わる法律を勉強してきました。現在の仕事は、国家公務員法や人事院規則に基づきます。どちらも細かく定められた現行の条文はもちろん、過去の運用についての知識も求められます。新しい法律に取り組む度に感じたのは、日本の法律に共通する基本的な体系や条文の構成などが、頭に入っていたこと。首都大での学びの価値を、社会に出て自覚したのです。在学中によく耳にしていたリーガルマインドとはこういうことだったかと実感できたのも、国交省に入ってからのことでした。 国家公務員は全国が職場ですから、今後どこに異動し、どのような職務に就くかは予想できません。しかしどんな仕事であっても、首都大で学ぶ中で大切さを知った多角的なものの見方を忘れないようにしたいと考えています。国交省が所管する仕事の領域は多岐にわたり、私がこれまでに関わった建設業界においても、人手不足や外国人労働者の受け入れ体制の整備など、課題は山積しています。国の課題に取り組む公務員として、今後も直面する事案に想像力を働かせて選択肢を増やし、多くの人が納得できる丁寧な仕事に努めます。首都大では自転車部に所属し、初めてツーリングを経験。九州半周や信州などの各地を巡った仲間とは、卒業後も交流が続く。「文理を越えて出会えた仲間は、首都大で得た大切な財産の一つ」。直面する課題に想像力を働かせ多くの人が納得する丁寧な仕事により国民生活の“縁の下の力持ち”になる。016Tokyo Metropolitan University GUIDE BOOK 2020

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