東京都立大学 大学案内 2024
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デジタルシフトのメカニズムタンパク質分解システムが操るウイルス免疫の新機構ヒト細胞新しい製品・サービスの企業新しい製品・サービスの不良タンパク質のかけら(ウイルス由来)不良タンパク質の合成免疫(リンパ球)の活性化抗原提示抗原ペプチド(認識因子BAG6)分解酵素不良タンパク質プロテアソームの認識による分解提案と提供消費者■利用と期待デジタルシフトによる消費スタイルの変化を捉える新型コロナ流行による混乱の中で、改めて大きな存在感を示しているのは「デジタル」です。GAFAと呼ばれるデジタル時代の巨大企業はもとより、教育現場でさえ、ZOOMやTeamsが当たり前のように用いられるようになりました。こうしたデジタルシフトは、今後ますます加速し、経済も経営も、それから社会全体にとっても、デジタルを無視することはできなくなっています。なぜGAFAは巨大企業になり、世界の経済にどんな影響を及ぼしているのか。そして、私たちはこうしたデジタル時代の経済や経営にどう向き合えば良いのか。どの企業も、最初から今のような姿だったわけではなく、また経済のあり方も、同じ資本主義においてその形を變えています。そして何より、私たちの消費スタイルこそ、デジタルの発展の中で大きく変わってきたことに着目すべきです。ネット上にあふれかえる世界中の人々の投稿は、時に大きな世論を形成し、社会を動かし、政治にも影響します。フェイクニュースも流行し、社会を間違った方向へ導いてしまうこともあります。私たちが望むことでデジタルシフトはますます進み、デジタル時代が到来することによって、経済や経営もまた形を変えていきます。循環するメカニズムを捉え、そのマネジメントを考える必要があります。新合成不良タンパク質を認識し分解系へ誘導する細胞内システムを発見・解明生物学の教科書には、転写・翻訳のシステムが巧みにタンパク質を作り出す様子が記されています。しかし、実際のタンパク質合成の現場では、このプロセスの成功効率は必ずしも高くありません。健康な我々の細胞でも、膨大な数量の不良(出来損ない)タンパク質が日常的に産生されているのです。私たちの研究室では、これら、新合成不良タンパク質を認識し、分解系へ誘導する新しい細胞内システムを発見しました。最近、とみに注目されているのは、不良タンパク質の分解産物です。これらは無用の廃棄物ではなく、免疫系に必須の役割を果たしていることが分かってきました。リンパ球の標的となる抗原ペプチドこそ、私たちが研究している不良タンパク質の分解産物なのです。例えば、ウイルス感染細胞内で、ウイルスタンパク質の分解産物が抗原ペプチドとしてリンパ球の活性化を促しています。最近、接種が進んでいる新型コロナウイルスワクチンも、ウイルス由来の不良タンパク質を私たちの細胞内で生成・分解することで、リンパ球の標的となる抗原ペプチドを積極的に産生させているのです。都立大の研究室では、今後の新しいワクチン開発などにも役立てるため、タンパク質分解の基礎研究を活発に進めています。■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■デジタルの発展■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■ff■■■■■CASE3CASE4

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