東京都立大学 大学案内 2024
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●研究戦略企画室学内資源を有効活用し、研究プレゼンスを高め、「世界の頂点」となり得る研究分野を構築するために、本学の研究推進に関する企画立案や研究支援に必要な業務を実施するなど、機構長のトップダウンにより学内外の様々な環境変化に迅速に対応しています。●研究推進課研究IR、研究資金の獲得、企業や外部機関との連携の提案、契約交渉、研究プロジェクトマネジメント、研究成果の広報、社会貢献(実用化・事業化)に至るまで、大学の研究活動をトータルに推進しています。線量測定技術向上の取組み生体内線量測定のゴールドスタンダードとなる可能性を秘めた計測器を開発■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■【放射線治療の精度を評価する】高い精度を要求される放射線治療を安全に実施するために、患者に与えられる放射線量を適切に管理/評価する必要があります。放射線治療に際して、正しく放射線量が与えられているかを直接的に確認するために、我々のチームは生体内線量測定という手法と専用の放射線計測器の開発を進めています。この手法は患者の体内に放射線計測器を挿入し治療中の放射線量を測定するもので、患者に与えられた放射線量を直接的に確認できる唯一の手段です。我々のチームは炭素線治療患者に対して生体内線量測定を実施し、世界で初めて炭素線治療中の生体内線量測定に成功しています。【測定器の標準化に向けて】現在の多様化した放射線治療手技の全てに対応できる生体内線量計はなく、開発が急がれています。この課題に対して、我々のチームで開発した放射線計測器を利用して全ての放射線治療手技に対応する生体内線量測定を実現するために研究を進めています。現在は、X線及び陽子線治療に対応するために、それぞれの放射線種に対する放射線計測器の応答特性を得るための実験を進めており、良好な結果が得られてきています。以上のように、我々が開発を進めている放射線計測器は現在のところ標準的な測定法が確立されていない生体内線量測定においてゴールドスタンダードとなる可能性を秘めている計測器といえます。継続的な研究開発を進めることで、適正な放射線治療の推進の一助となると考えています。■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■研究大学としての研究力強化とプレゼンス向上を目指した研究推進体制です研究戦略の立案を行う「研究戦略企画室」と、科研費獲得から産学連携まで一貫した研究支援を行う「研究推進課」から構成される『総合研究推進機構』が、学内の研究活動のさらなる活性化と国内外での研究大学としてのプレゼンス向上を目的として設置されています。生体内線量測定技術の標準化継続的な研究開発新たな利用価値適正な放射線治療がんの制御利用の促進正常組織の防護■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■ff■■■■■■■■■■■■CASE7■■■■■■■■企画立案研究戦略企画室研究総合研究推進機構研究推進課管理推進

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