東北大学広報誌 まなびの杜 No.79
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 私は一九七二年に農学部に入学し、四年間在籍いたしました。畜産物利用学講座で足立達教授の第一期生として、当時の伊藤敞敏助教授、須山享三助手のご指導もいただき、牛乳、乳製品の科学を中心に学びました。 卒業後明治乳業㈱に就職し、二〇一一年に明治乳業と明治製菓が経営統合した明治ホールディングスの食品部門、株式会社明治で現職に就いております。入社以来四十一年、所謂生産系に身を置き、ひたすら物作りに携わってまいりました。皆様もご存知と思いますが、昨今の日本のお客様は食品の安全と安心については極めて関心が高く、我々食品メーカーに対する要求、期待は想像以上に大きいものがあります。海外とは違い、細かな出来栄え迄注文が付き、細心の注意を払いながら商品を生産、お届けしているわけであります。私の四十一年間の会社人生は、お客様に如何に満足していただける商品をお届けするか、の戦いであったと言っても過言ではないでしょう。その戦いを続けてこれたのは、大学時代があったからに他なりません。 大学時代の思い出は、先ず牧場実習、乳製品や畜肉加工品の製造実習、本当に楽しかったことを今でも覚えております。この時の感激がその後の就職企業の選択に大きく影響していたのだと、今では思います。 そして、卒論に向けての実験。研究室の仲間と夜遅くまで、否、時には朝まで実験をしていたことを記憶しております。仮説を立て、それを証明する為の実験計画を組み立て、正確にデータを収集し解析、そして結論を導き出す。この繰り返しでした。本当に大変ではありましたが、充実した一時期でした。この時に身に着けた課題解決に向けたアプローチは、食品メーカーに勤務してきた私にとってかけがえのない、素晴らしい財産、武器として自分の身を救ってくれました。本当に感謝、感謝です。 また昨年、慣れ親しんだ農学部が移転するとの情報を得て、同じ研究室の同期卒業生全員(八人)で農学部を訪問致ししました。そして、伊藤敞敏前教授、齋藤忠夫現教授や先輩と昔話に花を咲かせながら、痛飲致しました。今でもこのようにまとまりのある、素晴らしい同期に恵まれたこともまた、大学で得た素晴らしい宝物です。 今後、企業人として残された時間は、会社の為、業界の為に少しでも貢献出来る様、微力ではありますが尽力していく所存です。また、個人として素晴らしい同期と時々は盃を傾けていきたいと思っております。中村 裕忠(なかむら ひろただ)(株)明治 取締役専務執行役員1953年生まれ東北大学農学部卒関連ホームページ/http://www.meiji.co.jp/corporate/#tab-110|まなびの杜 79号中村 裕忠From OBOBからのメッセージ私の中の「東北大学」東北大学で得た財産・宝物参加費無料(事前申込は不要です。)6月16日(金)リベラルアーツサロン第47回言葉を科学する阿部 宏(大学院文学研究科 教授)会場:東北大学附属図書館6月30日(金)サイエンスカフェ第141回地球の熱を使ってみよう~超臨界地熱資源から温泉水素発電まで~土屋 範芳(大学院環境科学研究科 教授)会場:せんだいメディアテーク 1F オープンスクエア5月26日(金)サイエンスカフェ第140回進撃の微生物~ヒトと病原体の戦い~磯貝 惠美子(大学院農学研究科 教授)会場:せんだいメディアテーク 1F オープンスクエア4月28日(金)サイエンスカフェ第139回「水素」をもっと身近に!未来のエネルギーを体感しよう折茂 慎一(AIMR/金属材料研究所 教授)会場:せんだいメディアテーク 1F オープンスクエア4月14日(金)リベラルアーツサロン第46回江戸時代の死の文化~為政者の死をめぐって~中川 学(高度教養教育・学生支援機構 准教授)会場:せんだいメディアテーク 1F オープンスクエア東北大学総務企画部広報課社会連携推進室 TEL.022-217-5132http://cafe.tohoku.ac.jp/ホームページお問い合わせ18:00~19:452017年度4月~6月サイエンスカフェリベラルアーツサロンINFORMATION2017年度4月~6月の東北大学サイエンスカフェ・リベラルアーツサロンのテーマ、講演者をお知らせします。◎東北大学基金事務局〒980-8577 仙台市青葉区片平2-1-1☎022-217-5905kikin@grp.tohoku.ac.jp未来ある人材を育むために東北大学基金へのご協力をお願いいたします。東北大学

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