東北大学広報誌 まなびの杜 No.79
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Award-Winning栄誉の受賞08|まなびの杜 79号Line-up of Leading-edge Research大谷栄治名誉教授がバイロイト大学(独)からDistinguished Afliated Professorの称号を授与電気通信研究所・大野英男教授がC&C賞を受賞白鳥則郎名誉教授が「情報化促進貢献個人等表彰」文部科学大臣賞を受賞石田清仁名誉教授が平成28年度工業標準化事業表彰(経済産業大臣表彰)を受賞平成28年秋の褒章 大渕憲一名誉教授が紫綬褒章を受章2016/09/3010/1710/1810/1911/02血行状態モニタリング装置「魔法の鏡」の開発に成功本学サイバーサイエンスセンター先端情報技術研究部と革新的イノベーション研究機構は、科学技術振興機構の平成25年度センターオブイノベーション(COI)プログラムの支援を受け、血行状態モニタリング装置「魔法の鏡」の開発に成功しました。これは、皮膚表面の血行状態をリアルタイムにわかりやすく動画像で表示し、心拍数と身体2か所の脈波伝搬時間を連続算出します。Webカメラや内蔵カメラが付いたパソコンで動作し、家庭の鏡や自動車内のドライブレコーダなどへ応用が可能であり、日常的な体調管理に使えます。本装置は、2016年10月1日に第39回日本高血圧学会「市民公開講座」会場(仙台国際センター)に展示されました。012016/09/27世界初、透明強磁性体の開発に成功―新しい磁気光学効果の発見―電磁材料研究所の小林伸聖主席研究員、本学学際科学フロンティア研究所の増本博教授、同金属材料研究所の高橋三郎助教、日本原子力研究開発機構先端基礎研究センターの前川禎通センター長の研究グループは、新発想の透明強磁性体を世界で初めて開発。これは、ナノグラニュラー材料と呼ばれる、nmサイズの磁性金属粒子を誘電相中に分散させた金属と絶縁体(誘電体)の2相の薄膜材料です。室温での大きな光透過率と強磁性、透明度が制御可能な磁気ー光学効果を示します。これにより、速度、燃料計や地図を自動車や航空機のフロントガラス上に表示するなど、次世代透明磁気デバイスの実現が可能です。研究成果は、英国科学誌 Scientific Reports に掲載されました。022016/09/29腎臓病が進行するしくみを解明―慢性化を防ぐ治療薬の開発に期待―本学の祢津昌広助教(東北メディカル・メガバンク機構地域医療支援部門)、相馬友和 研究員(大学院医学系研究科医化学分野・現米国ノースウエスタン大学)、鈴木教郎准教授(大学院医学系研究科酸素医学分野)、山本雅之教授(同医化学分野・東北メディカル・メガバンク機構長)らのグループは、腎臓障害により発生する「酸化ストレス」が、腎臓病を悪化させ、慢性腎臓病の発症・進行につながることを解明。また、マウス実験から、酸化ストレスへの抵抗性を高める薬を飲めば、腎臓病の進行が抑えられるとわかりました。将来的に、慢性腎臓病を抑える治療法の開発が期待されます。本研究結果は国際腎臓学会誌のオンライン版で公開されました。052016/10/25太陽熱光起電力発電システムで世界トップ級の発電効率を達成本学大学院工学研究科の湯上浩雄(機械機能創成専攻教授)、清水信(同助教)、小桧山朝華(同専博士課程学生)の研究グループは、幅広い波長の光を含む太陽光を太陽電池に最適な波長の熱ふく射に変換し発電する、太陽熱光起電力発電(Solar-thermophotovoltaic:Solar-TPV)システムにおいて、世界トップレベル5.1%の発電効率を達成しました。本研究では、熱ふく射の変換・輸送効率の新システムを提案し、Solar-TPVシステムの全体設計を行い、画期的な基盤技術を開発しました。今後、多接合太陽電池とは異なる高効率太陽光発電の実現、またSolar-TPVのみならず、未利用エネルギーの有効利用に関連した分野への応用が期待されます。本研究成果は、Applied Physics Express 誌に掲載され、同誌Spotlights論文に選出されました。062016/10/25

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