東北大学 理学部 地球科学系
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溶岩流 マントルより 地球内部でのマグマの流動を実験室内で再現しました。マグマには水蒸気や二酸化炭素から成る気泡が含まれています。その気泡が流動とともに変形する様子が示されています(ここでは色のついている部分が気泡)。また、変形した気泡からはガスの分離、つまり脱ガスが効果的に起こることも分かってきました。これらのことから、マグマの流動と脱ガスには非常に密接な関係があると考えられ、「マグマの破砕を伴う爆発的噴火」と「効率的なガスの分離を伴う非爆発的な噴火」の分岐を決定づける要因の一つとして、マグマの変形量を挙げることができます。変形量が大きいマグマをねじり、流動させるせん断応力 = 大溶岩ドーム熱 水ガスの分離変形量が小さい火山灰・軽石火砕流マグマの破砕マグマ溜り穏やかな噴火爆発的な噴火1000m2000mせん断応力 = 小Faculty of Science, Tohoku University火山噴火の爆発性を支配する脱ガス火山噴火の模式図 火山はなぜ、地球上の限られた場所に特徴的に存在するのでしょうか? マグマは、地下のどのくらいの深さで生まれ、どのように多様化し、そしてどのように地表まで上昇するのでしょうか? なぜ火山は、あるときには爆発的に、またあるときには穏やかに噴火するのでしょうか? 熱水に代表される流体は、地球内部でどのように循環し、マグマ活動を含む地球の進化とどのように関わっているのでしょうか? 私たちは、野外調査・岩石や鉱物の化学分析・高温高圧条件下におけるマグマや岩石の状態の再現実験・コンピューターを用いた数値シミュレーション・身近な物質を用いた模擬実験などの手法で、固体地球のダイナミックな営みの解明を目指しています。EARTH SCIENCEマグマから地球のダイナミクスを探る125

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