東北大学 理学部 地球科学系
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太平洋プレート 5 マグマから地球のダイナミクスを探る東北大学理学部地球科学系 大陸地殻大陸プレート内マグマ緑海マントル上昇流脱水?停留スラブ島弧マグマプチスポットマグマホットスポットマグマ海洋島島弧スラブの脱水マントル深部より?日本海溝プチスポット火山プレートの破壊白金球マグマ1㎜中央海嶺マグマ有人潜水調査船「しんかい6500」中央海嶺水深6000mで発見された溶岩流(枕状溶岩)マントル観測中1㎜時間経過 爆発が起こったとき、その音が大きいほど物が遠くまで飛び散ると思いがちです。でも火山爆発の模擬実験から、そうとも言いきれないことがわかりました。限られたエネルギーが物を飛ばすのに多く使われれば、そのぶん音は小さくなるのです。 火山の下に存在するマグマ溜まり内で、時間の経過(=マグマの冷却)とともに、密度が高い成分に富むマグマが壁付近に、密度が低い成分に富むマグマが中心付近(特に上部)に分布する様子を数値計算で再現しています。このような計算結果は、野外調査と火成岩の化学分析を行うことによって、実際に検証することができます。 今までの地球科学の概念では予想できなかった火山活動が三陸沖、水深6000mの深海底で発見されました。この火山活動は同時に巨大地震も引き起こしていることが予想されます。深海底に潜り、岩石の採取や地震の観測を進めています。 地表に到達したマグマはいわば「地下からの手紙」。赤く灼熱した姿は古くから人々を惹きつけるとともに、私たちにとっては、地球の「胸の内」を知る重要な手がかりです。 標高3676m(富士山とほぼ同じ!)、インドネシア・スメル火山山頂での観測の様子です。頻繁に噴火を繰り返す火山は絶好の研究対象です。そういう火山を求めて、私たちは海外にも活動を広げています。 鉱物の集合体である岩石と熱水が反応する様子を、温度・圧力条件を制御した実験で再現したものです。水に富む流体は、地下において特定の元素を非常に効率よく運びます。また岩石の物理的性質に非常に大きな影響を及ぼし、時として岩石の融解を引き起こします。 地球内部の条件で白金球がマグマ中を沈む様子をX線で撮像すると、その落下速度からマグマの粘度が分かります。マグマの物性、特にマグマの粘度は火山噴火の爆発性を左右する重要なパラメータです。プレートの盛り上がり(アウターライズ)溶岩流の調査噴火の模擬実験マグマ溜まりのシミュレーションプチスポット火山噴火の観測鉱物に熱水成分が浸み込む様子X線画像を使ったマグマの粘度測定13

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