東北大学 理学部 地球科学系
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ABAB 東北大学理学部地球科学系6断層と地震1896年陸羽地震(秋田)で地表に現れた断層東北大学片平キャンパスJR仙台駅グリッグス型岩石圧縮装置地層の変形帯JR東北本線岩石試料を圧縮して、破壊(つまり断層、地震)が円柱状試料の左下から右上に進むことを、センサーを使って実験しました。地層の変形帯圧縮実験で変形した石英試料のCT写真。 1896年に秋田県で起こった陸羽地震(マグニチュード7.2)では、30kmにわたって活断層が地表に到達して段差を生じました(地表地震断層)。現在でもいくつかの断層を観察することができます。過去に繰り返し発生した地震の痕跡を、地形や地質学的なアプローチで探し出し、過去の大地震の大きさや時期を明らかにすることは、私たちの研究の大きな目的の一つです。 地下深部で地震の起こる様子を明らかにするために、実験室で岩石を変形させて、地震や地殻変動を再現する研究をしています。高圧ガスや柔らかい固体を使って、岩石に2000気圧以上の圧力をかけ、地下深部での条件を再現することで、地震の起こる様子や岩石がゆっくり変形する様子を調べています。得られた結果を解析して、断層はどのように動き出し、どのように止まるのか?また水の存在下でどうして岩石は柔らかくなるのかを実験的に調べています。 写真は1771年に沖縄県石垣島を襲った明和津波によって、サンゴ礁が剥がされて、砂浜に打ち上げられた津波石です。上図のように、地磁気を利用することで、まるでタイムカプセルのように過去数千年間の津波の回数とその年代を決められます。今後は世界中に分布する津波石を調査して、自然災害対策に役立ててゆきます。 大地のCTスキャンとも言える反射法地震探査を用いて、断層の位置を含む地下構造を決定しました。図は長町-利府断層の東西断面です。活断層調査岩石の変形実験津波の化石(津波石)15

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