東北大学 理学部 地球科学系
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1446億年昔の太陽 : 原始太陽をとりまくガス円盤の中で最初の微結晶が生まれました。0.1mm 私たちの太陽系がどのようにして出来たのか、その証拠は太陽系形成時に存在していた小惑星や彗星の構成物質にしか残されていません。私たちは写真にあるような、太陽系探査機が回収した彗星や小惑星のサンプル、宇宙から降ってきた隕石や塵を研究して、過去の太陽系の記録を読み取っています。 (左)探査機はやぶさが持ち帰った塵。埃のように小さい。右図のサンプルコンテナ中でカプセルを開封して塵を取り出します。取り出した塵は放射光施設や電子顕微鏡などを利用して隅々まで分析を行い、太陽系の創世記に何が起こったのか、どのように惑星系が誕生したのかを研究しています。 宇宙からは、年間に数千〜数万トンもの塵が地球に降り積もっています。南極の氷床や雪を大量に融かして探し出す宇宙の塵は、彗星起源の微粒子も含んでおり、隕石では得ることの難しい、太陽系外縁部の情報も得られます。Faculty of Science, Tohoku University(C)NASA宇宙から回収したサンプルを研究する宇宙から降り積もる塵を研究する 地球のように進化した惑星の物質をいくら研究しても46億年前に起こった惑星誕生のプロセスを解明することはできません。小惑星や彗星は太陽系の黎明期に形成された微小天体の生き残りです。これらの小天体には46億年前の太陽系誕生時のさまざまな記録がほぼそのままの状態で保存されています。小惑星探査機はやぶさが回収したサンプルもその一つです。太陽系始原物質のシンクロトロン放射光実験や精密同位体比分析、微粒子凝縮実験や衝撃回収実験などを通して、太陽系の初期進化過程を明らかにしていきます。EARTH SCIENCE太陽系・惑星の起源と進化太陽系の惑星はいつ、どのように誕生したのだろう?小惑星や彗星に残された記録から理解する

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