東北大学 工学部 電気情報物理工学科
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電気情報物理工学科では約90の研究室があり、実にさまざまな研究が行われています。電気情報物理工学科Webサイトの「高校生・受験生のための研究紹介」で紹介されているものの中から、ここでは2つの研究を紹介します。 ※電気情報物理工学科Web サイト:http://www.ecei.tohoku.ac.jp/eipe/中村 健二 教授Kenji NAKAMURA電気工学コース先端社会エネルギーシステム研究室東北大学大学院工学研究科 教授。専門は電力工学、電気機器工学。2014 AUMS Young Researcher AWARD、日本磁気学会論文賞、東北大学全学教育貢献賞などを受賞。電気自動車フォーミュラカーレースに挑戦している「東北大学フォーミュラチーム(TUFT)」の顧問も務める。次世代ギヤとして注目を集める磁気ギヤモータと融合一体化した磁気ギヤードモータへの挑戦環境の世紀にふさわしい効率の良い電気エネルギーの利用をめざして 環境の世紀と言われる21世紀では、より効率の良い電気エネルギーの発生・輸送・変換・利用が不可欠です。私が研究しているモータ、発電機、トランス、インバータ、コンバータなどのエネルギー変換・制御機器はこのための基盤技術の1つであり、最近では例えば電気自動車や自然エネルギー発電の導入をしやすくするための送電線ネットワークの中など、様々な場面で利用されています。 「大学に入ったら自然エネルギー発電の研究をしたい!」と考えている高校生・受験生も多いと思います。自然エネルギー発電は総合的な工学の結晶なのでいろいろな研究分野からかかわっていくことが可能です。その中で私たちは、電気工学の部分、特にエネルギー変換・制御機器の分野から自然エネルギー発電の実現に向けて研究を続けています。 例えば、洋上風力発電。これまでも風力発電について私たちの研究室では、風の力を効率的に電気エネルギーに変換し、風速の変動に対応して適切に制御する発電機や制御機器の研究を行ってきました。これが洋上での風力発電となると、遠洋で発電した電気を効率良く陸上まで持ってくる長距離送電が必要になってくると思われることから、そのための機器や制御法に関する研究を行っています。 開発途上の発電方式としては潮力発電。潮の流れはそれほど速いわけではないので、発電機は低速で回らざるを得ず、効率よく電力を取り出すことができません。「磁気ギヤードモータ」という技術を利用してこの問題を解決することができないかという検討を企業と一緒になって行っています。 この「磁気ギヤードモータ」やその基盤となる「磁気ギヤ」という技術が、現在私が一番興味を持って取り組んでいる研究テーマです。高校の物理の授業で出てくる「電磁力」を使って、非接触で動力を伝達するのが「磁気ギヤ」です。従来から使われている機械式ギヤでは歯車同士の接触によって動力を伝達するために振動や騒音、摩耗や発熱が発生するのに対し、磁気ギヤはそれらが小さく、次世代のギヤとして注目されています。この磁気ギヤとモータとを融合一体化させたのが「磁気ギヤードモータ」。従来の「機械式ギヤ+モータ」と比べて、部品点数の削減や小型化など様々なメリットが生まれてくることから、自動車や移動体のメーカー等を始めとして世界中から大きな注目が集まっています。 私たちの研究室では、磁気ギヤードモータの実現をめざしすでに10年近く研究に取り組んでおり、磁気ギヤの動力伝達率では世界最高水準の99%程度まで出せるようになっています。今後は、磁気ギヤードモータとしてモータと磁気ギヤを一体化した時の動力伝達率が90%を超える、ということを一つの目標に掲げ研究を進めていこうと考えています。 頭だけでなく手も動かして実際にモノを作ってみたいと考えている高校生・受験生のみなさん、ぜひ一緒に世界に挑戦しましょう。09Department of Electrical, Information and Physics Engineering | 電気情報物理工学科

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