東北大学 工学部 材料科学総合学科 研究室紹介
24/38

材料システム工学コース Course of Materials Processing 粉末冶金→粉→小麦粉という連想で。いつだれが始めたのかは不明ですが、川崎研究室の伝統にして名物となっているのが『粉もんパーティー』。先輩から後輩へと受け継がれてきた鉄板やたこ焼き器は、かなり年季が入った代物。ずいぶん前から行われていたことがわかります。 本パーティーのシーズンは主に後期。不慣れな実験で緊張の続く学部生や、論文提出の追い込みでお疲れの研究室メンバーを元気づけるために、突発的に開催。修士学生が中心となって材料の買い出し、準備、調理まで手掛けます。きっと川崎研ならではの特別のレシピが…と思いきや、至って普通ですよ、という回答。それでも香ばしいソースの香りに励まされ、お腹も満たされ、またがんばるぞという気持ちに。偉大なり、粉もん。研究テーマの粉末冶金にちなんで。香ばしいソースの香りに励まされて『粉もんパーティー』 研究テーマの粉末冶金にちなんで。香ばしいソースの香りに励まされて『粉もんパーティー』 研究室TOPICS23粉末冶金の技術・知見を礎に、新しい機能性材料を探究。チャレンジの原動力となるのは、川崎研究室独自の技術<POEM>。 数十から数百ミクロンまで、粒ぞろいの微粒子でつくる新機能性材料。 金属の粉末を金型に入れてプレス機で圧縮して固め、高温で焼き固めて(焼結)工業製品をつくる「粉末冶金」。この方法は「成形の後に加工を必要とせず複雑な形がつくれる」「高精度の部品が大量生産できる」「金属粉末の混合を自由に組み合わせられる」「原材料を無駄にせず、シンプルな工程で省エネルギー」などの優れた特徴があります。世界の中でも日本は粉末冶金の卓越した技術を誇ります。 川崎研究室では、粉末冶金分野に立脚し、新しい技術による新たな機能性材料の開発にチャレンジしています。その基幹技術となっているのが、パルス圧力付加オリフィス噴射法(Pulsated Orice Ejection Method :以下POEM)による高性能マイクロ粒子の大量生産です(川崎教授による発明)。これにより金属や半導体、金属ガラス、ポリマー、セラミックスなどあらゆる材料系で、数十から数百ミクロンまで、粒径の揃った高精度、高機能な微粒子の作製が可能となりました。この粒子を意図的に“組み立て”たり“配列”することで、組織自体がシステム化・デバイス化した新しい材料の創製を目指しています。粒子を並べることで発現する新しい特性を活かし、応用分野へアプローチ。 川崎研究室ではPOEMで得られた単分散粒子を用いて、三次元に規則的に積層させ、人工的に特定の電磁波と同程度の周期を持つ構造体(人工フォトニック結晶)をつくることに成功しました。これに特定の帯域の電磁波が入射されても、内部を伝播せず、絶縁体のようにほぼ完全に反射されます(フォトニックバンドギャップ)。しかし、結晶内に点や線状の欠陥をつくると、特定の電磁波は強力に閉じ込められながら導波路を伝わっていきます。川崎研究室では、今後の産業利用が期待されるテラヘルツ波(周波数1THz前後の電磁波)に注目し、空港などのセキュリティ対策や食品検査、医療などの応用分野への活用を探究しています。 非常に強くてしなやか、電気伝導及び熱伝導性にも優れる新材料・カーボンナノチューブ(Carbon nanotube、以下CNT)は、機械的・機能的特性を飛躍的に向上されると待望されていますが、凝集しやすいため、母材金属へ均一的に分散させることが困難という課題を抱えていました。川崎研究室では二つの異なる粉末冶金プロセスを開発することで、母材金属との複合に挑戦しています。これまでに良好な分散が得られており、さらなる前進に向けた取り組みを加速させています。 粉末を意図的に積層し形状を与える技術、3Dプリンターを利用した金属粉末積層造形に取り組んでいます。本法では、コンピュータにより設計した製品の3次元モデルに基づき、これを輪切りにして下から上へと一層ずつ積み重ねて成形します。積層造形体が優れた性質を発揮するための粉末冶金技術の開発を行っています。微粒子システムプロセス学分野川崎研究室【教授】 川崎 亮 【准教授】 野村直之 【助教】 菊池圭子http://msysb.material.tohoku.ac.jp/や きん

元のページ  ../index.html#24

このブックを見る