東北大学 文学部 学部案内 2020年度入学者用
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 日本語教育学の扱う領域は、大きく分けて2つあります。ひとつは、外国人学習者に日本語を効果的に教える方法を研究することです。もうひとつは、異なる文化社会に育った人間同士がコミュニケーションを行う場合に、どうすればスムーズな相互理解が達成できるのかを考え、実現するための方法を追究することです。 本専修の学生は、多様な文化背景の留学生とともに、明るく自由な雰囲気のもとで、日本語や日本語の学習・教育について学び、言語や教育に留まらない広い視点から日本社会への理解を深めます。そして、日本語教育学実習では、これらの総合的な知識を生かして日本語コースを学生自身がデザインし、外国人学習者に教えるという貴重な体験をすることになります。 本専修の卒業生は、国内外の日本語教員や大学院進学という進路のほか、グローバル化の進んだ現代社会にふさわしい、異文化を尊重する柔軟な発想と広い視野をもった人材として、多方面で活躍しています。 考古学は、過去の人間社会とその文化の探求を行う歴史学の一分野です。考古学の特徴は、城柵や集落などの遺跡、住居跡などの遺構、出土した遺物を主な研究の対象として、歴史の復元を進めるところにあります。旧石器時代、縄文時代、弥生時代、古墳時代、古代、中世、近世のどの時代でも、実際の遺跡や遺物に直接触れながら学びます。遺跡の発掘調査に参加し、出土した資料の整理や研究を通じて考古学の基礎を身につけて、卒業した後には考古学の専門職に進む道がひらかれています。考古学陳列館には、477点の国指定重要文化財をはじめ、日本考古学の基準になる豊富な収蔵資料を有しています。また、自然科学の様々な分野の協力も得て遺跡の研究をすすめています。遺跡がいつ頃のものなのかを知る年代の測定、昔の集落のすがた、そのまわりの自然環境、生活環境の復元、縄文時代の狩猟・漁撈、古代人の生産活動、土器や石器の製作技術、またその使い方など、多くの研究をすすめています。最新の分析・観察機器によって、様々な調査、研究方法を学びます。アメリカ、フランス、ロシア、中国、韓国との国際交流も盛んです。 人文社会科学は人間と社会についてさまざまな角度から考える学問です。その中で歴史学は過去を対象にします。日本史学にあっては、日本の国家と社会、およびその構成員であった人々のさまざまな活動と、そこから生み出された文化、そして様々な国や地域・民族との関わり方などの歴史的展開を研究対象としています。 大学で歴史学を学ぶことは、既成の歴史的知識や歴史像を覚えこむことではありません。過去の人々が生活や社会的営みのなかで生み出し今日に伝わっている文書や記録を主たる史料とし、その読解と分析を通して自身で歴史像を組み立て、物事を長い時間の流れのなかで考える能力を培うことに、教育の主眼をおいています。 本専修は学界・教育界や文化財保存の分野に多くの人材を送り出しており、近年は官公庁や企業に就職する人もふえています。どの道に進むにせよ、学生時代に培った、自身で調べ、考え、表現する能力は大いに役に立つはずです。 空間的にはアジア大陸のほぼ東半分。時間的には紀元前十数世紀から現在に至るまで。 そこに繰り広げられる言語と文学の営為を、わが研究室は対象とします。時空の範囲が広い上、記録を重視する文化背景があるために、書記言語・音声言語ともさまざまな変遷と交流の軌跡を示し、文学も、百を優に越すジャンルを擁します。 学生は、まず基礎的な漢文読解力を身につけていきます。また、広く文学史を学びますが、高校までの漢文ではお目にかかることのない、ジャンルと作品に数多く触れることになるでしょう。4年生になる時、これらの中からもっとも関心を引く対象を選択し、必要な原典を、漢文・中国語・日本語を駆使して解読しながら、卒業論文としてまとめます。また、語学力のスキルアップを目指し、中国語圏へ留学する機会もあります。 卒業後は高校・中学の教師になる人・大学院に進む人のほか、培った語学力を生かして、中国市場に進出する企業や、マスコミ(出版社・新聞社・TV局)や役所で活躍する人もいます。10Laboratory IntroductionApplied Japanese LinguisticsArchaeologyJapanese HistoryChinese Literature研究室紹介■■■■■■■■■■■■■■■■

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