東北大学 文学部 学部案内 2020年度入学者用
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Message印象深い授業 私は大学時代、ドイツ語の原文で文学作品を精密に読んでゆく授業が最も好きでした。研究室の授業は少人数制であったため、一つ一つの作品と深く向き合い、人との会話を通して別の見方を発見できるような、開かれた場が確保されていました。テキストそのものや時代背景を考え、文法書や先行研究を参照しながら、皆で納得のゆく解釈を探っていきました。その議論の過程では、たった一語だとしても、言葉がまるで生き物のように感じられました。 また、大学の制度を利用し、夏休みにウィーンで行われたサマースクールに参加したり、約1年間ドイツで交換留学をしたりと、海外での経験を重ねることもできました。外国での生活は五感をフル回転させて自分を取り巻く物事を味わう日々でした。暮らしていく中で、もちろんたくさんの壁にぶつかりましたが、それらを乗り越えるタフさと、何より、様々な国の人との接触を通して、たとえ異なる考えを持っていたとしても互いに信頼関係を構築できる、という確信を持つことができました。卒業論文では、戯曲の作品をテーマとしていたため、留学先のドイツの劇場で実際にその演目を観劇できたことも大きな収穫でした。 在学中、深い専門性を追求すると同時に、自分のいる世界よりも少し大きな視点を持ち続けることの重要性を学ぶことができました。それは今の仕事においても精神的な指針として生きています。●批評演習 ●中高ドイツ語講読 ●十八世紀ドイツ戯曲の誕生●17世紀大陸合理主義の倫理学 ●フランス文学史平成30年卒業 [ 東京都立国立高等学校 ]日鉄日立システムエンジニアリング株式会社 勤務ドイツ文学専修■■■■■■■19Tohoku University, Faculty Of Arts And Letters 2020

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