東北大学 文学部 学部案内 2020年度入学者用
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 歴史を研究する学問のなかで美術史は、表現されたモノ─「美術作品」を対象とする点に大きな特徴があります。美術作品は、それ以前の作品の「かたち」をもとにして生まれ、またそれ以後の作品に「かたち」を伝えます。また、美術作品は、それを作る人間と、それを見る人間との間のさまざまなコミュニケーションを媒介します。表現と人間の関わりを考えることから、さまざまな人間像や歴史像を浮かび上がらせることができるのです。 作品が伝えている情報は「かたち」というなかなか言葉にしにくいものですが、それを、自らの感覚と知識をもとに言葉にする、それが美術史という学問の醍醐味です。このような学問ですから、まずは美術作品をよく見ることが必要となります。研究室のメンバーは作品観察のために国内・国外に出かけてゆき、新しい学生は、研究室としておこなう研修旅行の下準備や実地での観察を通して、研究の方法を学んでゆきます。その意味で美術史は体験の学問ともいえます。この研究室の扉を叩こうとする皆さんには、多くの美術を体験しようとする旺盛な好奇心を期待したいと思います。『バガヴァッド・ギータ―』におけるカルマ・ヨーガの研究東西冷戦期とその文学ヒトラーと「敵対者」A Study of Subject Auxiliary Inversion in English現代日本における子供の「名づけ」に関わる要因の研究東北地方の円筒埴輪製作技術の研究 ―製作痕跡の検討―映画市場におけるSNSの影響力の分析子育て政策の出生への影響漫才における言語的特徴の東西差宮沢賢治の研究大災害を語り継ぐ演劇の社会的意義―福島原発事故を題材にした児童演劇を事例に―現代日本における人とペットの墓事情 ―ペット共葬墓を中心に―「戦争犯罪」を問われた人々 : 遺書の文化心理学的検討本のカバーデザインにおける、効果的な色彩戦略の比較検討 近年、芸術やヴィジュアル・カルチャーに対する関心が高まり、その意味を問う必要性が生まれています。本研究室では、芸術作品をどう見るか、その価値を美学において理論的な視野から、美術史において作品自体を歴史的コンテクストの中で調査し、その様式、図像、社会的役割について各自がテーマに即して研究しています。 特に、古代ギリシア・ローマ美術、イタリア・ルネサンス美術や、ネーデルラント美術、フランス近代美術を中心に代表的美術家について研究を行っています。また、東西の美術を比較し、「東西表象」の問題も扱っています。研究指導は、活発に行われており、演習での最新の欧米の研究論文について活発な議論を通して、また定期的な読書会や研究会により、学生同士が日々問題意識を掘り下げています。 本研究室では、多くがヨーロッパに留学し、その中から優れた研究者が輩出しており、学芸員資格を取得することができることからも、就職先は大学、美術館など多岐に渡っています。ソーシャルゲームへの課金行動と性格特性からみるギャンブル依存の関連「ださい」感情はどこから発生するか : 服装評価による検討白居易詩文における科挙なぜ死ぬべきではないのか?狩野元信筆「四季花鳥図屏風」の研究南満州鉄道附属地の経営方針とその特色「ほめ」とその解釈 ―日本語話者と中国人日本語学習者の比較―仙台藩の往来物について小林一茶の死生観ウィリアム・ブレイク研究アラスカ先住民ダンスの人類学的研究終末医療と家族 ―家族の義務と権利について―何が幸福の条件か妊娠中絶は擁護できるか20Laboratory IntroductionEastern And Japanese Art HistoryTohoku University, Faculty Of Arts And Letters 2020Aesthetics And Western Art History研究室紹介過去の卒業生の卒業論文・研究題目(一部)■■■■■■■■■■■■■■■■

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