東北大学 工学部 化学・バイオ工学科
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 研究活動では、研究成果を他の研究者に説明する能力も重要です。本研修では、学術誌に掲載されている英語の文献を読み、その内容を教員や学生に対して自分の言葉でプレゼンテーション(口頭発表)します。限られた時間の中で文献の重要な部分を紹介し、聞き手の質問を理解して答えるという経験は、4年次からの研究活動の基盤となります。また、大学院生や学部の先輩からのサポートを受けながら研修を進めるため、研究室での活動を知る良い機会にもなります。3年研修発表 2年生では、1年生で習得した知識をもとに、物理化学、無機化学、有機化学、化学工学、生物化学などの専門的な講義が始まります。3年生では、各科目がさらに細分化され深く掘り下げられた講義となり、普段目にする現象や身の回りの製品との関連性を理解していきます。講義で得た知識は、「学生実験」を通じて再確認できるカリキュラムとなっています。これらを通じて、私達の生活が化学とバイオの力に支えられていることを強く認識できるようになります。専門・応用in 青葉山キャンパス3年次in 青葉山キャンパス3年次in 青葉山スキャンパス 3年次の2~3月にかけて、学外の研究所・企業などを見学し、講義で習得した理解や知識がどのように製造現場で活かされているかを観察、製造技術への認識を深める工場見学が行われます。見学先は、各々5社程度を周る3地区が設定され、行きたいコースを選んで参加します。本学科の卒業生をはじめ、企業の方々が技術やプロセスを丁寧に説明してくれると共に、若手社員との懇談の場もあり、就職先を選んだポイントや実際の働き方等、気軽に質問できる貴重な機会です。 エンジニアリング会社ってどんな仕事をしていると思いますか? 国内外でのプラント建設? 地図に残る大きな仕事? 確かにそのような一面もありますが、私が担当しているのは「ライセンス技術開発・設計業務」です。自社にてプロセス技術を開発し、その特許やノウハウを使ったプラントを設計します。大学時代に学んだ化学工学の知識を駆使し、また社内の英知を集結して競合相手に打ち勝つプロセスの構築に日々奮闘。その守備範囲は、開発試験・営業活動・設計・試運転まで広範囲にわたります。講義では、エンジニアリングの現場で化学工学がどのように活用されているのかについて、私のプロセスエンジニアとしての業務経験を通して紹介します。3・4年特別講義 3年生になると実験や演習が始まります。それまで講義(座学)で学んだことを基に、化学のあらゆる分野を広く取り上げた内容となっています。実際に実験を行うことで理解がさらに深まると共に、研究に必要な実験技能を身に着けることができます。後期には、英語で書かれた学術論文を一報読み、内容をまとめた抄録の作成とプレゼンテーションを行います。初めて論文を読むため分からないことも多くありますが、先輩や先生方が丁寧にアドバイスしてくれるので、安心して取り組むことができます。3年生は、実験レポートなどで非常に忙しくなりますが、研究の第一歩となる学びを多く得ることができます。平成28年度入学者の声 バイオの専門科目へ 研究における新しい発見は、従来知られてきた現象や知見との違いに気づくことから始まります。教科書や文献を読み込んでも、この「違いに気づく力」は養われません。学生実験では、自ら手を動かし様々な反応や現象を体感することで、研究における「気づき」の重要性を理解できるようになります。また、4年次以降の研究活動を安全に進めるには、様々な器具や装置の基本原理を知る必要もあります。学生実験は、それらの器具や装置の基本操作を習得する場ともなります。化学工学とエンジニアリング講師 西川 彦士さん 修士東洋エンジニアリング(株)学部卒業年:平成4年加藤 由樹さん宮城県仙台第一高等学校出身工場見学6

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