東北大学 工学部 材料科学総合学科 研究室紹介
26/38

研究室TOPICS材料システム工学コース Course of Materials Processinghttp://www.material.tohoku.ac.jp/˜seitai/lab.htmlラム肉は北海道直送!ラム肉は北海道直送! 6月、研究室に入った学部4年生が本格的な研究への第一歩として取り組むのが「雑誌会」。これは興味を持った外国語論文を読解し、その内容を簡潔に要約して、規定の時間内で口頭発表というもの。緊張のプレゼンテーションと質疑応答を乗り切ると、外から食欲をそそる良い匂いが…山本研究室恒例の「ジンギスカンパーティー」です。 雑誌会を乗り切った4年生を労おうと10数年前から始まったこの催しは、修士1年生が幹事を担当する習わし。主役のラム肉は、国産にこだわり北海道からお取り寄せ。量は、一人あたり1キロで注文。でも、10年前は一人2キロ(!)換算だったのだとか。先輩たちの肉食ぶりに驚きつつ、「野菜も食べなくっちゃ」とヘルシーさをアピール。たくさん食べて飲んで、今年もおいしかったね――このイベントを見守り続けているジンギスカン鍋も満足そうです。25医学、化学、生命…いくつもの分野・領域にまたがる融合研究。 医療のための生体材料研究としては、人工臓器や硬組織代替システム、DDS、組織工学などがありますが、近年では何と言ってもiPS細胞に代表される幹細胞を用いた治療が大きな注目を集めています。しかし、再生医療に限らず、どのような医療も長い歳月、巨額な資金、多くの研究者や科学者の努力と労力が注がれ、医療の現場へと導入されます。こうした多くのプロセスの根幹となる基礎研究や、実用化に向けた技術(細胞培養技術、新薬の評価)を支えるのが、山本研究室が開発する高分子ツール。医学、化学、生命など複数の分野・領域にまたがるダイナミックな融合研究です。 山本研究室がもっとも大切にするのは“新規性のある挑戦”。すべては解のない探究です。失敗と無縁ではいられません。うまくいかなかったら「わからないということが、ひとつ解った」とポジティブに捉えていきます。前向きに、楽しくなければ研究じゃない。「まずは、やってみよう」が山本研究室の合言葉です。生体機能材料学分野山本研究室【教授】 山本雅哉 【准教授】 森本展行 【助教】 最上譲二再生医療研究の“その先”を支えるツール、医用高分子・ナノ材料。材料科学的手法によって設計・合成から機能評価までを担う。高分子を用いて分子環境を制御し、医療研究に“使える”材料を開発。 これからの社会の望ましい有り様として、持続可能な開発/発展が唱えられています。これは環境保全に関する基本的な理念として世界的に共有されていますが、目を転ずれば、私たち一人ひとりの健やかな暮らしもまた持続可能性に資する要件として挙げられるのではないでしょうか。医療の発展――すなわち病気の原因・メカニズムの解明や、診断技術の高度化、治療成績の向上、新規創薬は、誰もが願ってやまないことであり、個々人の自己実現や幸福感にも直結するものです。 分子の創製から医用高分子・ナノ材料の設計・合成、機能評価といった材料科学的アプローチにより、医療に必要とされる材料研究ならびにツール開発に取り組むのが山本研究室。高分子への深い理解・知見と実績を基に、①糖刺激応答性高分子を利用した、血管構造を持つ生体組織の構築、②生体適合性高分子を機能性材料として用いるドラッグデリバリーシステム(DDS)の開発、③特定の分子(タンパク質)を架橋点とする生体高分子の合成、などこれまで誰も成し得なかった領域に果敢にチャレンジしています。 こうした取り組みは、培養生体組織を利用した探究(疾病モデル作製と発症から経過に至るまでの段階的研究)、再生医療(幹細胞の体外増殖をサポート)、創薬開発(モデルの中での作用をみる)など、医療の基礎研究の最前線へとつながっていきます。雑誌会を終えた雑誌会を終えた学部4年生を学部4年生をねぎらう『ジンギスカンパーティー』ねぎらう『ジンギスカンパーティー』

元のページ  ../index.html#26

このブックを見る