東北大学 工学部 材料科学総合学科 研究室紹介
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研究室TOPICSDepartment of Materials Science and Engineering「研究を大いに楽しもう。楽しむためには努力も必要」が葛西研究室のモットー。【教授】葛西栄輝 【准教授】村上太一 【助教】丸岡大佑 http://www.material.tohoku.ac.jp/~saisei/index.htmlCourse of Eco Materials Science|「また登ってみたい」という声も(ほんとに?!)。 汗を絞って肉体を鍛えあげる? 脳漿を絞って知力を磨きあげる?…いえいえ、葛西研の「夏合宿」はもっとのどかで和気あいあい。たまには大学を離れて、自然の中でリフレッシュしつつ、研究について心おきなくディスカッションしようという恒例行事です。 例年は保養地滞在と工場見学(『わたしの研究室LIFE』もお読みください)というスケジュールですが、昨年度は葛西先生の鶴の一声で富士登山を敢行!(計画を聞かされた学生さんのリアクションは、実験試料を変えた還元反応のように様々でした、笑)。途中、バテたメンバーの荷物を分け合って担いだり、ペース配分を工夫して励まし合うなどして、一人の脱落者も出さず全員頂上へ。登りの道では、気圧の変化でふくらみ始めた菓子袋を「いつまで(破裂せずに)持つか」を真剣に議論する葛西先生と学生の姿が…。真理を追究する研究者スピリットはいつでもどこでも健在なのでした。30葛西研究室資源利用プロセス学分野“物づくりの過程”を変えれば、環境問題の解決に近づく。循環型/持続的社会に向け、実効性のある“技術”で応える。環境への波及効果の大きい挑むのは“これまでになかった”プロセス・新技術。材料プロセスに照準。 葛西研究室では、先進的かつ斬新な環境調和型プロセスに挑む「シー 温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨、熱帯林の減少、生物多様性の減退…現在、地球規模で顕在化・進行している問題の多くは、20世紀後半ズ研究」のほか、企業の環境への取り組みを力強くサポートする「コラボレーション」(共同研究や技術提供)を行っています。そのすべては“これの産業・経済活動の活発化や人口の急激な増加によるものといわれていまでになかった”プロセス(物づくりの過程)を構築するもの。たとえばます。その因果関係にはいまだ不明な点が多いものの、“大量生産・大量消費・大量廃棄”といった私たちの営みが、地球環境問題の一因となっ研究装置ひとつとっても担当者自らが設計に加わり、専門メーカーと共に自作した世界にひとつのもの。既製品ではまかなえないケースがほとんていることは論を俟たないでしょう。循環型社会と環境負荷低減の実現どです。こうしたオンリーワンかつダイナミックな研究は、新しいことにのためには、社会や経済の構造・システムに資源循環メカニズムを組み果敢に挑むチャレンジ精神と、プロセス全体をさまざまな視座で俯瞰で込み、市民一人ひとりの積極的な取り組みによって底支えしていく一方で、真に実効性のある資源リサイクルやエネルギーの有効利用に向け、科学きる“鳥の目”、データ等を注意深く洞察する“虫の目”によって推し進められと工学の技術的側面から解決策を模索していく必要があります。ています。 葛西研究室では、基幹金属素材に代表される莫大な資源・エネルギー 葛西研究室で基礎となる知見は、を消費する材料プロセスやリサイクルプロセスを効率化・合理化して、エネルギー使用量を最小限に抑制し(CO2を削減)、現在は使い道のない廃物理化学、化学工学・反応工学、金属工学、無機・有機化学など広範にエネルギーを再利用しやすい形に変換したり、環境に悪影響を及ぼす化わたります。それらの集合領域と研究学物質や重金属を排出させない仕組みを研究しています。また、すでに者の“情熱”が出会うことで、環境・汚染された環境を効率的かつ経済的に修復(除去・無害化)する方法にも資源問題の新しい地平が拓かれていく取り組むなど、その研究テーマは多岐にわたっています。のかもしれません。夏合宿 〜富士登山2010〜

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