東北大学 工学部 建築・社会環境工学科 都市・建築デザインコース/都市・建築学コース
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06写真は、デザインとエンジニアリング融合型教育の授業風景です。風環境のシミュレーション・ソフトウェアを使って建築デザインの改良案を検討しています。この授業を通して学生は良い設計をするためには、デザインとエンジニアリングのどちらか一方の検討では不十分であることを学びます。シミュレーション結果を参考に自らの建築デザインを後から見直して改良する遡求型最適化(レトロフィット・オプティマイゼーション)のプロセスに特徴があります。東北大学都市・建築コースならではの多規範適応型デザイン教育です。建築は、時代を先駆ける空間ビジョンが、先端的な工学的技術に支えられ実現する社会芸術だと言われます。史上最古の建築理論家として知られる共和政ローマ時代に活躍したウィトルウィウス(Marcus Vitruvius Pollio)は、著書、建築十書の中で、「よい建築は、堅固さ、機能、美しさ、という3つの条件によって成り立つ」と述べていますが、優れた建築が、社会の必要に応じて人間のための技術的に有効な空間を創り出す実践的な学問であるという指摘は、二千年経過した今日においても、尚、通じる点が少なくありません。優れた建築を設計(Design)するためには、人間の生活環境を安全・快適にするための構造・材料・環境などの様々な規範(Discipline)に基づく幅広い工学的理論(Technology)と、人間の生活環境を豊かにするための感性に訴えかける芸術性(Art)のいずれもが不可分に統合された解が求められます。東北大学では、多くの異なった規範の理論に習熟し、その中から最適な技術を用いて人々の感性に訴えかける空間に統合する「多規範適応型」の実践的な教育を目指しています。芸術×技術 強・用・美ARTXTECHNOLOGY

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