東北大学 理学部案内 2022
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生物学科では、各分野それぞれ豪華な教授陣による面白い講義が多く展開されており、複雑な生命現象を理解するための多角的な視野を身につけることができると思います。現在は鳥の翼のかたちの進化と希少な鳥の保全という2つのテーマについて研究していますが、ともに生物学科で学んだことが強力な武器となっていると感じられ、とても心強いです。生物学科はあなたの興味を広げ、それをさらに深めるためのツールと場を提供してくれる類稀な学科だと思います。基幹科目(人間論、社会論、自然論)展開科目(人文科学、社会科学、総合科学、自然科学)共通科目(少人数教育科目、外国語、情報科学、保健体育)分子生物学生態学共通科目(基礎ゼミ)動物生理学植物生理学発生生物学動物生態学動物生態学実習植物系統分類学実習植物生態学実習海洋生物学実習情報理学入門生物学科では、植物から動物、細胞から生態系まで幅広い分野の最先端の知識を学ぶことが出来ます。そんな生物学科に入って私の一番の収穫は幅広い分野に興味を持つ仲間たちと出逢えたことです。空を見上げて鳥を見た時、道端の草を見た時、楽しそうに自分の研究について語る彼らの顔を思い出します。今まではただの風景だった散歩道が意味を持ち始める。自分の専門に限らず興味が、知識が広がることで世界を見る目が変わります。多様性植物学保全生物学細胞生物学行動遺伝学生物進化学器官形成学生理生態学理論生態学海洋生物学環境生物学植物進化生態学分子進化学神経行動学加齢生物学概論生物学へのアプローチ生物学演習Ⅰ分子細胞生物学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ脳・神経システム学Ⅰ・Ⅱ分子植物学Ⅰ・Ⅱ分子遺伝学基礎生物学実習細胞生物学実習分子生物学実習植物生理学実習進化学実習生態学実習発生生物学実習脳科学実習生態・進化生物学/分子・細胞生物学特選科目科学英語植物は成長にあわせて葉のかたちを変える葉は種ごとに異なっています。同一種、同一個体でも、個体の成長につれて作られる葉のかたちは変わります。アカシアのように、若い個体と成熟した個体では同じ種とは思えないほど形態が異なる葉をつける種もあります。イネの細長い葉では、基部から頂端に向かう軸に沿った発生パターン(基部と頂端部の比)が成長につれて変わります。今回、BLADE ON PETILE (BOP) という遺伝子が葉の基部側を成長させること、miR156という短いRNAが幼若期の特徴とBOP遺伝子の発現パターンが変化させること、その結果、基部・頂端軸のパターンが成長に従って変化していることを見出しました。さらに、地上だけではなく土の中にも茎(地下茎)を伸ばすシバ(芝)やドクダミのような植物では、地下茎に地上部とは異なる特殊な葉をつけることにもBOP遺伝子が関与していることを発見しました。必修科目選択必修科目進化学野外実習植物分子生理学実習分子発生生物学実習分子遺伝学実習課題研究Ⅰ・Ⅱ生物学特論情報理学選択科目科学史12345678Faculty of Science, Tohoku University21学年セメスター全学教育科目専門教育科目関連教育科目生物学科のカリキュラムは図のように組まれています。3年次までは生物学に関する広い視野を身につける段階です。講義を通して生物学全般にわたる知識を、実習を通して様々な方法論を学びます。実習には、実験室で行われるものの他に、植物園や八甲田山分園、浅虫海洋生物学教育研究センターで行う野外実習があり、生物の生きざまに直に触れることを重視しています。これらの基礎の上に立って、3年次後半では、一人一人が自分の研究テーマに取り組む課題研究が行われます。課題研究は(浅虫海洋生物学教育研究センターや植物園を含む)特定の研究室に1年半を通して在籍する中で進められ、最先端の生物学研究に触れながら、自らも参加して専門的な研究能力を修得します。このほか、毎年学外から専門家を招いて開講される、最新の研究トピックを中心にした特選科目があり、2年次以上から履修できます。西澤 絢さん博士課程前期1年都立国立高等学校出身平成29年入学1年田谷 昌仁さん博士課程前期1年市川学園市川高等学校出身平成29年入学2年3年4年3つのBOP 遺伝子は葉の基部(白)の成長に必須である。黄矢頭は基部と頂端部(緑)の境界を表す。 miR156の制御によりBOP遺伝子の発現パターンが成長に伴って変化する。 カリキュラム Message from 先輩 研究ピックアップ

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