平成30年度 筑波大学入学案内
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卒業論文 比文らしく、自分らしく 本学類での学修の最大の焦点が卒業論文の作成です。 いわば入学した時点から、あなたの卒論に向けての作業が始まっています。自分の関心に応じて履修科目を選ぶことがその第一歩。さまざまな授業を通じて専門知識や研究スキルを獲得しながら、自分なりの問題意識を深めていってください。 問題設定能力や課題解決能力など、これからの時代にますます求められる主体的な知性を育てることができるのが、この卒論作成のプロセスです。 学類の丁寧なガイダンスおよび主指導教員と副指導教員の指導・助言によって、あなたも、個性的でありながら水準の高い自分だけの論文を仕上げることが可能です。1~2年次テーマを探す2~3年次テーマを膨らませる3~4年次テーマを絞りこみ構成する4年次執筆する審査・発表会完成授業と卒論制作比文での学修を終えてこのコースでは授業に現地調査を取り入れており、私はまず城下町・土浦の地形や街の成り立ち、地域の機能を調べる調査に参加し、そのあと札幌や旭川など北海道の様々な場所をバスで巡る調査にも参加しました。卒業論文ではアニメ「ガールズ&パンツァー」の舞台となった大洗町を取り上げ、商工会、観光協会、役所に聴き取りを行って、アニメの聖地巡礼にやってくる観光客に対しどのような取り組みをしているかを調査しました。一人で聴き取り調査を行うのは初めてでしたが、実習で先輩たちをまねることで、知らずしらずのうちにインタビューのやり方も身についていたと思います。根本 拓真(2015年卒業)(〔現在の〕フィールド文化領域の文化地理学コース)山田 玲奈(2017年卒業)(日本・アジア領域、日本文学コース)平成28年度に提出された主な卒業論文の題目30●●●●●●●●●●●●●●●●連歌的表現と和歌的表現について文学作品に描かれる「鬼」の表現について―『堤中納言物語』「虫めづる姫君」を題材として―都市祭礼にみる住民の共同体意識―浦安三社祭を事例として―ネパール・カトマンズ盆地におけるクマリ信仰の伝統と現代的諸相Remaking Poetic Justice: Seven Samurai and The Magni-cent Sevenバリ伝統文化の日本での受容と表現埼玉県戸田市におけるオリンピック遺産の活用―戸田漕艇場を事例に―マレーシア・ペナン島における日本人ロングステイヤー居住地域の空間的特性小林多喜二『蟹工船』における言語の問題―「標準語」と「方言」をめぐって―渡辺克巳研究―新宿における撮影行為をめぐって経験を伝える「叫び」―石牟礼道子『苦海浄土』における水俣病―日韓から見るスポーツと政治的感情の関係―新たなライバル像の構築に向けて―2013年以降のインターネット選挙活動―若者に注目して―他人の心について―チャーマーズの議論の検討を通して―ムスリムファッションの変容―インドネシアを中心に―日本の墓地をめぐる掃苔文化の考察―雑誌『掃苔』を中心に―私は、仏教説話文学で卒業論文を書き、大学院の教育研究科に進学してさらに学問を深めることを選択しました。正直に言うと、入学前は漠然と日本文学を学び国語の教員を目指したいと考えており、仏教説話や大学院進学にはあまり興味がありませんでした。しかし入学後、比較文化学類の多様な授業、先生、学生との出会いによって自分でも驚くほど関心や選択肢の幅を広げることができました。比較文化学類は6領域16コースに主専攻分野が分かれており、その多様性により視野を広げつつ最終的には自分の学びを極めていくのが「比文らしい学び」だと思います。これから入学する皆さんも、この比文の環境を最大限に活かして自分の可能性を開拓してほしいと思います。24

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