平成30年度 筑波大学入学案内
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PROFILE大西 泰斗 氏東洋学園大学教授、言語学者1961年 埼玉県生まれ1984年 筑波大学第一学群人文学類卒業1989年 筑波大学大学院文芸言語研究科博士課程終了 同年 東洋女子短期大学欧米文化学科専任講師1996年 オックスフォード大学客員研究員(~1997年)2000年 東洋女子短期大学欧米文化学科教授2003年~ NHK教育(Eテレ)「ハートで感じる英文法」ほか多数、 同局で講師を歴任2008年 東洋学園大学教授HP:http://www.englishatheart.info/OBOGTSUKUBA////////////////— 大西さんは筑波大学5期生です。今でも鮮明に思い出すような学生時代のエピソードはありますか?  高校の教員を目指していたので、師範学校の伝統を受け継ぐ筑波大学へ意気揚々と入学したわけですが、とにかく僕は貧乏な学生で、風呂代を節約しようとトレーニング室のシャワーを使うために筋トレをしたり、アルバイトを見つける最初の夏休みまでの間に20kgも体重が減ってしまったり、入学当初はほろ苦い思い出ばかりですね。 アルバイトは「筑波インターナショナルセンター」という、JICA(国際協力機構)筑波の前身の農業技術研修施設で、毎週2晩ほど宿泊棟の夜間フロントをしていました。アフリカや東南アジアの研修生が暮らしやすいようにお世話をするのですが、ノンネイティブの多様な英語に触れて試行錯誤したおかげで、英会話力が向上したのだと思います。 僕は学生時代に留学の経験はなくて、36、7才の時にオックスフォード大学の客員研究員になったのが初めての海外長期滞在でした。― どんな学生でしたか? まあ、普通の学生でしたよ。昼休みにゲームセンターで1ゲームしてから午後の授業に行くとか。 専攻の授業はほどほどに、むしろ周りの友達が取らない他学群の科目を積極的に受講しました。体育専門学群の運動生理学や比較文化学類のギリシア哲学、英米文学でネイティブの先生と1対1なんていう授業もありました。せっかく学費を払うのなら、広く知の世界を見たいと思っていました。 あまねく興味の赴くままに学んだ経験があったからこそ、得意なものや、興味のあることが浮かび上がってきたのかもしれません。筑波大学は当時から「学際性」が際立っていて、このことはその後の僕の人生にもずいぶん役立ったと思います。ずっと目標にしていた教員採用試験に合格したのに、向学心から大学院に進学して、恩師に学び、僕の運命は変わったといえるでしょう。筑波大学でなければ、研究は続けていないし、きっと本も出していない、テレビにも出ていないだろうから。― 現在『しごとの基礎英語』(NHK Eテレ)では社会人を対象としています。また大学の授業、小学生向けの指導など、幅広い年齢層や学習レベルを対象に教えていらっしゃいます。それぞれにわかりやすく教える秘訣は何でしょうか? 『しごとの基礎英語』では、ビジネス英語を取り上げていますが、ビジネスについては共演のルーシーさんに任せて、僕自身は英語の文法、特に語順といった狭い話をしています。ただ、シチュエーションが旅行や自己紹介に変わろうと、語彙東洋学園大学の教授として教鞭をとる傍ら、30冊を超える著書を出版し、NHK Eテレ「しごとの基礎英語」の講師としても活躍中の大西泰斗さん。全国各地の講演会は高校生から80代の英語学習者、指導者で満席となります。精力的に英語教育に携わる大西さんに、ご自身の「学び」についてお話を伺いました。1989年 筑波大学大学院文芸言語研究科博士課程終了『しごとの基礎英語』出演中の大西さん修了2

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