筑波大学案内 2025
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10 私は、入学以前からジェンダーやLGBTQ+について関心がありました。しかし、もちろん「ジェンダー学類」なんてありません。総合学域群での1年間は、どの学問からジェンダーを研究するか、について考える期間でした。学んだ結果気づいたことは、学問的な研究には多様な視点がある、ということです。文学、社会学、文化人類学・・・それぞれ、同じテーマを扱ったとしても、研究における5W1Hは大きく異なります。「領域横断的な学び」が推奨される昨今において、専門領域にとらわれずに各学問の特色を知ることができるのは、総合学域群ならではです。さらに私は、移行後も、他学類の講義を履修し、ゼミにも参加するなど、「領域横断的な学び」を実践しています。総合学域群の在籍期間は1年ですが、総合学域群的な学びは終わりません。総合での学びが、比文生になった今の自分の強みとして生かされていると、日々感じています。 総合学域群で過ごした1年は自分の選択肢を広げる時間でした。私が移行した芸術専門学群は絵を描くところだと思っていませんか?私も高校生の頃はそう思っていましたし、進学先の選択肢としてとらえることもありませんでした。しかし、入学後に学んでいくうちに「デザイン」の幅は想像よりも広く、自分のやりたいことを叶えられる学類だと気づくことができました。 移行直後は戸惑うこともありましたが、学んだことをすぐにアウトプットできる演習課題や、それぞれのやりたいことに気軽に挑戦できる雰囲気が私に合っていてとても楽しく学んでいます。総合学域群で身につけた幅広い視点もデザインをするときにとても役に立っているなと感じます。 やりたいことに対して様々なアプローチの仕方を知ることができ、分野の融合などを実感することができました。またとりあえずこの分野ならこの学類だ!と安直に考えていたが、総合学域群でのイベントや各学類で開講される授業を通し、興味・分野に対してどのように考え、学んでいくかを再確認することもできました。 移行後も専門的な知識や経験を積むことができとても満足しています。一年生からその学類にいる学生よりも出遅れているという指摘は否定しきれませんが、そこでは得られない経験があるのも事実であり必ずしもマイナスではないと思います。 総合学域群での1年間は、自分が何に興味があって将来どうなりたいのかなど、移行後の進路に関して多くの選択肢を持ちながら、自分と向き合う1年だったと思います。 情報科学類に移行してからの1年間はとても充実したものでした。プログラミングの授業が多く、移行当初は授業についていけるのか不安でしたが、情報科学類にはロボット世界大会での入賞経験や、企業エンジニアとしての経験など、情報技術に精通した友達に、時には相談にのってもらいながら、効率よく勉強することができ、情報科学を学ぶには最適な環境だと思いました。 今、改めて振り返ってみると、総合学域群での1年間は悩みや苦労も多くありましたが、自分にとって非常に有意義な1年だったと思います。第1類(移行先:比較文化学類)(移行先:芸術専門学群)第3類(移行先:生物学類)第3類(移行先:情報科学類)結城 寧々太田 碧第2類山野 虎太郎手川 朋香

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