島根県立大学短期大学部 松江キャンパス 2016
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 法律では、栄養士は「栄養の指導に従事することを業とする者」と書かれています。具体的には、食事と健康について、科学的根拠に基づいて、適切な栄養教育(食育)を行うこと、学校や保育所、病院や老人福祉施設などに勤めて、献立作成や調理、衛生管理などの給食管理を行うこと等です。 大学入試センター試験(数学、理科、国語、英語)で基本的な学力を評価し、個別学力試験(総合問題)において、自然科学の知識に基づいた論理性、分析力、考察力などを見ます。これらの学力、能力はいずれも食にかかわる分野で必要とされるものです。 健康栄養学科では、卒業生が栄養士、将来的には管理栄養士として活躍することをめざして、社会生活と健康、人体の構造と機能、食品と衛生、栄養と健康、栄養の指導、給食の運営、地域と食生活の各分野について、講義、実習などを用意しています。 「社会生活と健康」の分野では、社会や環境と健康との関係を理解することを目標とし、地域の健康づくりや高齢者を支援するための社会システムについて学びます。 「人体の構造と機能」の分野では、身体を構成する様々な器官系の構造と機能、栄養素の消化吸収と利用、生体成分の変化など身体の仕組みを解剖学や生理学、生化学を通して学び、生活習慣病を含む様々な病気を理解するための基礎づくりをします。 「食品と衛生」の分野では、食品の種類、食品の組織や構造、含まれる各種成分、その栄養特性や機能性、調理による変化、そして、食事を安全に提供するために必要な食品の安全性や衛生管理の方法などを学びます。 「栄養と健康」の分野では、栄養とは何か、その意義、栄養素の代謝生理を学びます。人の身体状態は、性、年齢、生活・健康状態等で異なります。ライフステージ栄養学、健康栄養学、病態生理学ではその栄養生理的特徴を学びます。また、人の栄養状態の評価判定などを栄養管理学で学びます。さらに、糖尿病や肝臓疾患など各種疾病の食事療法を臨床栄養学概論で学びます。 「栄養の指導」の分野では、望ましい食生活とは、心を豊かにする食事とは等々をイメージしながら、栄養指導のあり方を考えるほか、対象にあった具体的な指導案の作成とその実施、栄養情報の収集・分析・発信の方法などを学びます。また、世界・国・地域レベルでの栄養状態や健康づくりへの取り組みなどを学ぶなかで、栄養士として地域住民の健康づくりにどうかかわればよいかを考えます。 「給食の運営」の分野では、合理的に、しかも、喜ばれる食事を提供するための給食の運営管理のあり方を学びます。特定集団の食事提供を設定して、献立作成、購入計画、大量調理法、衛生管理などの実際を模擬的に体験します。調理実習ではプロの方から、給食計画実習では、保育所、学校、病院に勤める卒業生の管理栄養士の方から、献立の立て方や調理の指導を受けます。さらに、栄養士業務の実際を病院や福祉施設の現場に出て体得する校外給食実務実習があります。 「地域と食生活」の分野では、島根県各地域の特性と食材の利用・加工等に関する情報を収集して、地域への理解を深めます。[Q&A] 4栄養士の仕事は何ですか?一般選抜では、どのような学力を評価するのですか?健康栄養学科では、どんな勉強をするのですか?Q12Q13Q14全般的事項健康栄養学科

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